帯広すずらんルームに「鉄製けんけつちゃん」 帯広高等技専生が制作
道立帯広高等技術専門学院(山本厚志学院長)の金属加工科の学生たちが授業の一環で取り組んだ、献血キャラクター「けんけつちゃん」の鉄製大型オブジェが、制作から6年越しで北海道赤十字血液センター帯広出張所「帯広すずらん献血ルーム」(帯広市東7南9、桑原昭所長)に展示された。桑原所長は「鉄のけんけつちゃんが見られるのは全国でも帯広だけ」と喜んでいる。
けんけつちゃんは、厚生労働省が作成した献血推進キャラクター。同学院は1965年から職員と学生が年3回、400ミリ献血に協力している縁から制作に取り組むことになり、2010年、当時の金属加工科2年生10人で2カ月余りかけて完成させた。オブジェは高さ130センチ、重さ20キロほど。同出張所内に展示してもらう予定だったが、そのときは実現せず、学院内の展示室に置く状況が続いていた。
同学院は半世紀にわたる献血協力が評価され、今年2月に道社会貢献賞を受けたが、その際、かつて制作した同オブジェが話題になり、桑原所長が「若い人や子どもたちに親しんでもらえるシンボルにしたい」と設置を申し入れた。学院側が出張所内のスペースを借り、展示することで話がまとまった。
桑原所長らが24日、同学院を訪れ、貸与式が行われた。当時、技術指導を通じて学生たちと一緒に制作に取り組んだ千葉直・金属加工科長は「何度も修正してようやく仕上げたこん身の作品。学生は卒業しているが、大変喜ぶと思う」と笑顔。年間延べ約3000人が来所する同出張所での展示に、学院側も「近年、金属加工は技術者不足。学生の技術力を広く発信したい」(山本学院長)と期待を込めた。
オブジェは早速、献血ルームに運ばれ、1階ロビーに展示された。桑原所長は「若い人の献血推進が課題となる中、学生たちが協力してくれていることは強いアピールになる。ぜひ、見に来てほしい」と話している。(佐藤いづみ)