旧双葉幼稚園に秘蔵資料 保存期成会が今秋展覧会
国の登録有形文化財に指定されている旧双葉幼稚園(2013年3月末閉園、帯広市東4南10)の園舎で9月17日から23日まで、同園の足跡を振り返る展覧会「双葉幼稚園の歴史と幼稚園教育の原点」が開かれる。主催する「双葉幼稚園保存期成会」(川村善規代表)が開催に向け準備を進めている。
期成会は、13年に同園舎の保存を目的に発足した。1989年ごろから、園舎の改修に携わっている1級建築士の川村さん(オフィスK&K)を代表に、同幼稚園の元職員や、臼田時子園長(閉園時)の後見人である河野マリ子さん(東京)ら10人で構成されている。
川村代表によると、展覧会開催へのきっかけは、閉園後の2013年4月~14年12月ごろ、期成会メンバーで園内の物品を整理したことだという。園の足跡を示す写真や書類の他、園舎の設計図など膨大な量の資料があることが判明。戦前の1927年に米国から日本全国の幼稚園、小学校に友好の証しとして贈られた「青い目の人形」が良好な状態で残されていたほか、人形をめぐるお礼の手紙などのやりとりも、文書として残されていたという。
展覧会開催に向け、帯広市にも協力を要請。新年度予算案に助成金として20万円が盛り込まれた。川村代表は「当時の帯広の教育だけでなく、異文化交流、建築的にも価値のある資料ばかり。多くの人に見てほしい」と話す。これまで資料調査を続けてきたが「あまりに多過ぎて全てを調べ切れていない」という。
期成会による会議は4月に予定され、展示物など構成を話し合っていく。川村代表は「同園の保存のための第一歩としても成功させたい」と意気込んでいる。(大木祐介)