空き巣急増「対策を」 年末年始は要警戒
鍵増設 “人感”も有効
旅行や帰省などで自宅を長期間留守にすることが多い年末年始に、警戒が必要なのが空き巣や盗難被害。帯広署管内の全窃盗犯の認知件数は減少傾向にあるが、一方で今年は「空き巣被害」が急増。11月末現在までの認知件数は前年同月比33件増の74件に上っている。同署は犯人が嫌がる「光と音」を使った防犯用品での対策が有効とし、「不審な人物を見かけたら110番通報を」と呼び掛けている。
窃盗犯全体のうち、空き巣の割合は14年が5・7%、15年は4%前後なのに対し、今年は2倍以上の10・8%に。
同署は「一昔前は、隣近所の目があったが、今はプライバシーが守られてきている半面、近所付き合いが減っている」と指摘し、地域の監視の目が薄れていることを要因の一つに挙げる。
同署によると、犯人の侵入方法は、玄関をこじ開けたり、窓を割ったりとさまざま。「1戸建てやアパートの2階以下の部屋、人目につきにくい窓などは特に注意して」とし、犯人に留守を悟らせないよう、「新聞の配達を止めたり、郵便物を預かってもらうことも必要」と呼び掛ける。
空き巣以外にも、灯油やタイヤなど住宅敷地内からの盗難事件も要警戒だ。
身近にできる対策は何か。▽施錠箇所を増設▽人が近寄ると反応して光るセンサーライトや窓の振動で音が鳴る防犯ブザーの設置▽夏場なら歩くと音の鳴る砂利を敷く-などが有効という。
特に灯油の盗難は、「値上がりが続く中で狙われやすくなっている」といい、盗難防止カバーなどの防犯グッズの設置を促す。
同署では犯罪や防犯情報を広く住民に周知しようと「帯広警察署セーフティサービス(通称・OSS)」を運用しており登録者にメールで配信している。同署生活安全課の青幸弘課長は「タイムリーな情報発信と不審者の画像が添付など詳しい情報が届くので役立ててほしい」と話している。
問い合わせは同署(0155・25・0110)へ。(藤島諒司)
除雪機用チェーン人気 後付け鍵 反応鈍く 防犯グッズ
空き巣被害に遭わないためには自宅に侵入させないことが前提。各種防犯グッズはホームセンターなどで手に入れることができるが、十勝の住民の防犯意識は十分とはいえないようだ。
玄関ドアや窓に付ける後付けの鍵を扱うジョイフルエーケー帯広店の橋本洋志次長は「札幌などの都市部では年末年始によく売れるが、帯広は売り上げが少ない」と話す。
壁に穴を開けずに済んだり、簡単に設置できるものも多く、「鍵が2つあるだけでも侵入の抑止効果にもなるので設置してほしい」と話す。価格は200~800円程度。
一方で今年、売り上げが伸びているのが除雪機の盗難防止のチェーン。除雪機の販売台数の増加が背景にあるという。特殊合金で作られたチェーン(約2万円)の販売は昨年は1、2本だったが、今年は既に約20本売れている。橋本次長は「安価なチェーンを付けていて、切られたという人もいる。特殊合金は切られにくく安心感があるのでお薦めしています」と話している。(高津祐也)