台風補正、十勝は計95億円 芽室35億円、清水15億円
8月の台風被害から2カ月が過ぎ、十勝管内の市町村による災害復旧などの補正予算は、10月末現在で94億8152万円に上っている。今月に入ってからも追加補正の審議を予定する自治体もあり、総額はさらに膨らむことが予想される。
十勝毎日新聞が管内19市町村に台風7、9、10、11号に関わる被害復旧や対策、人件費などの補正予算額を聞き取った。
事業別の内訳は、農地排水や流木処理など農林水産関連が約49億円、橋や道路の復旧など土木関連が約30億円となっている。自治体別では、道路や河川、農地で被害が大きかった芽室が35億6997万円、次いで清水が15億6480万円と突出している。帯広も10億9964万円と3番目に多かった。
基幹産業である1次産業に対する補正が目立ち、全体の53%を占めた。芽室は農業用水施設の復旧工事などに約27億円、帯広は農地復旧に約6億円、新得は明きょ排水路被害の復旧などに約2億円を計上した。
今後の台風対策に関する事業もあり、更別は「台風後に明きょ排水を掘りたいという要望が寄せられている」とし、設置する農業者に費用の2分の1を助成するため計約200万円を盛り込んだ。
音更も暗きょ、客土などの小規模土地改良事業の補助率かさ上げ分として5000万円を計上。本別や足寄は、被害を受けた鹿柵にそれぞれ2000万円以上を予算化した。
十勝川からの大量の流木も問題となり、海に流れ出てサケ漁への影響を抑えるため、豊頃や浦幌は流木を海岸に押し上げる緊急作業の追加予算を組んだ。
河川敷にサッカー場など運動施設がある自治体も多く、公共土木施設関連の補正の中には、来年着工に向けた調査費もある。池田は利別川河川パークに1000万円、士幌はパークゴルフ場に323万円の調査費を付けた。