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帯広出身の熊切監督作「私の男」最優秀 モスクワ映画祭

映画「私の男」でグランプリを獲得した熊切監督(右)。左は最優秀男優賞の浅野さん、中央は二階堂さん(4月、札幌市での記者会見)

 ロシア・モスクワで19日から開かれてきた第36回モスクワ国際映画祭で、帯広市出身の映画監督熊切和嘉さん(39)の最新作「私の男」が最優秀作品賞(グランプリ)を獲得した。最終日28日の授賞式で発表された。主演の浅野忠信さんは最優秀男優賞に選ばれた。同映画祭での邦画のグランプリ受賞は、新藤兼人監督の「生きたい」以来15年ぶり。男優賞は「ふるさと」主演の加藤嘉さん以来31年ぶり。

 熊切さんは1974年生まれ。帯広南町中、帯広柏葉高、大阪芸術大卒。高校時代から自主映画を撮影していた。人間の本質をえぐり出す作風で、第28回伊・タオルミナ国際映画祭でグランプリを受賞した「鬼畜大宴会」、第12回シネマニラ国際映画祭グランプリ受賞の「海炭市叙景」など代表作多数。

 「私の男」は熊切さんの11作目の長編。桜庭一樹さんの直木賞受賞作を原作に、奥尻島を襲った北海道南西沖地震の震災孤児の少女(二階堂ふみさん)と、身柄を引き取った遠戚の男(浅野さん)との禁断の愛を描いた。オホーツク管内の紋別市や斜里町などで撮影した。

 十勝管内では9月6、7日のいずれか1日、自主上映グループ「CINEとかち」が帯広市民文化ホールで同作品の上映を予定している他、シネマ太陽帯広(西3南11)でも上映を計画している。(丹羽恭太)

思いが確信に最高です! 
熊切さんの話

 企画段階から完成に至るまで、さまざまなトラブルに見舞われた映画でした。グランプリと主演男優賞だなんて、神様もいたんだなあと。最高です! 今までで一番、「やりたい放題」やらせていただいた映画でした。映画を志していた少年時代に抱いていた思いが、確信に変わりました。これからは、より気合を込めて「やりたい放題」やっていこうと思います。この映画に関わったすべての人に感謝いたします。

素直に感謝
浅野さんの話

 作品への意気込みは誰にも負けないものでした。思い入れが強すぎて焦ってしまったり、熱くなり過ぎてしまうことがありました。まさかこんな形で報われるとは思っていなかったので、素直に皆さんに感謝しております。

<モスクワ国際映画祭>
 カンヌ(仏)、ベネチア(伊)、ベルリン(独)と並ぶ「世界4大映画祭」の1つ。1959年に始まり、隔年開催されていたが、99年以降は毎年開かれている。「私の男」が出品されたメーンのコンペティション部門の他、ドキュメンタリー・コンペティション部門などがあり、毎年、各国から集まった約200作品が上映される。


◆熊切さん監督作品「私の男」について
映画『私の男』-公式ホームページ
「私の男」全国公開 熊切和嘉監督インタビュー-十勝毎日新聞電子版(2014/06/14)
遊楽ナビ「来月公開の熊切監督『私の男』主演浅野忠信さん」-十勝毎日新聞電子版(2014/05/23)

◆『熊切和嘉(くまきり かずよし)』
熊切和嘉氏-ウィキペディア。日本の映画監督。北海道帯広市出身。
熊切和嘉監督関連記事-十勝毎日新聞電子版

◆モスクワ国際映画祭について
歴代最優秀作品など、モスクワ国際映画祭関連の情報-ウィキペディア

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