全道高体連 サッカー 帯北5年ぶり頂点 札幌東に5−1 清原勝ち越し弾
全道高体連大会は各地で競技を行い、24日午後のサッカー決勝で帯北は札幌東に5−1で圧勝、5年ぶり2度目の全道制覇を遂げた。同日の陸上競技は男子円盤投げの菅野翼(帯農2年)、女子砲丸投げの佐藤あずさ(帯農2年)が優勝、十勝勢はこの日、12人・1チームがインターハイ出場を決めた。25日午前のバスケットボールは、十勝勢で唯一準々決勝(ブロック代表戦)に残った女子の帯南商が函大柏稜と対戦、46−82で敗れた。(大野篤志、岡部彰広、丸山一樹、折原徹也)
(24日・旭川市忠和公園多目的広場)
午後2時から決勝を行い、すでに準決勝で勝ってインターハイ出場を決めている帯北と札幌東が戦った。帯北は序盤に先制を許したが相手ゴールを幾度も脅かし、前半終了間際のMF野沢直矢(1年)のゴールで追い付いた。後半は9分にDF佐藤祐也(2年)の絶妙なスルーパスからMF清原翔平主将(3年)の勝ち越しゴールで一気にペースを握ると、終了間際の8分間出場のDF春木耕平(2年)が2ゴールを決めるなど、後半にシュート13本で大量4点を挙げ5−1で快勝。5年ぶり2度目の優勝を果たした。
帯北が序盤から積極的に攻めたが、守りを手厚くしてカウンターを狙う札幌東に前半13分に先制を許した。しかし、同終了間際の32分には清原のスローインを左から穴田がセンターリングし、延藤のシュートのルーズボールを野沢が決め同点に。後半には帯北が試合の主導権を完全に握り、パスもことごとくつながった。佐藤祐、佐藤直のオーバーラップなど分厚い攻撃を仕掛け、佐藤祐のパスから清原が勝ち越し弾、相手のマークも甘くなったところで延藤のヘッド、春木の2連続得点で試合を決めた。
「全国の勢力図変える」 帯北
気迫と意地で全道制覇
連日の30度を超える気温の中でものを言ったのが、相手の足が止まり始める後半20分すぎから威力を発揮する帯北イレブンの豊富な運動量だった。今大会のおなじみとなった「相手が足がつってこてんこてんになるぐらい動き回れ」と、ハーフタイムで気合を入れる岩見卓コーチの声に呼応し、イレブンのエンジンが掛かっていった。
「トレーニングの内容はこれまでと変わらない。でも違うのが北海道のチームが全国のサッカー勢力図を変えるという気持ちと相手に対する意地だ」と飯塚誠監督は説明する。さらにすでに制した昨年秋の新人戦に高体連、プリンスリーグ、選手権と4大会をすべて制覇しようという高いモチベーションが、日差しが照り返すピッチの選手を支えた。
枠こそ捕らえられなかったものの、立て続けに決定的チャンスをつくった準々決勝の北星学園大付戦。準決勝の室蘭大谷戦では後半22分には左サイドを突破した穴田大樹(2年)の左クロスのアシストで橋本恭兵(3年)が同点ゴール。決勝もオフシーズンに鍛え上げたパスを用いた得意のつなぎのサッカーを展開し、幾度も好機をつくった。後半23分に佐藤直紀(3年)の右クロスをフリーの延藤孝太(同)が難なくヘディングシュート。さらに終了間際のセットプレー後の速い球回しなどから春木耕平(2年)が連続ゴールを決め5−1とした。人一倍動き回った清原翔平主将(3年)は「全国大会へ行きたいという気迫と根性が勝因」と、気力が後押ししたことを強調した。
これで道内4タイトル中2タイトルを制した。次に目指すのは現在まで単独首位のプリンスリーグ北海道2005の初制覇だ。それだけに7月2日の2位コンサドーレ札幌U−18との天王山を控え、選手たちはいつまでも喜びに浸ってはいられない。暑さの中で相手を上回る運動量を保った自信と高体連制覇の誇りを胸に「重要な1戦に勝ってそのまま優勝する」と清原主将らイレブンはさらに固く結束した。
豊富な運動量で攻撃の芽摘む
○…「支部予選の時より走っていたと思います」。俊足と豊富な運動量で相手の攻撃の芽を摘み取っていた帯北の右サイドバック・佐藤直紀(3年)は自身のプレーに合格点を出し、胸を張った。
佐藤直はFWや右ハーフが本来のポジションだったが、今支部予選からDFに入った。「もともと1対1が主だったし、前も後ろも変わらない。スピードには自信があるので反応が遅れても追い付ける」と新しいポジションにすぐに順応した。
準決勝ではセットプレーで、決勝ではカウンターの流れの中から先取点を奪われた。「もっと集中力を高めていかなければ。全国では(点を)取られたら取り返すというのは難しくなる。取られないゲームをしなくては」と、優勝の喜びもそこそこにインターハイへ向けしっかりと気持ちを引き締めていた。
【帯北】【札幌東】
GSSG
00前田GK中尾00
01佐藤直北川00
00大久保DF中塚00
01杉本木村10
03佐藤祐
13延藤市村00
22(春木)田川00
00瀬戸MF高杉00
01(杉村)(工藤)00
11清原本多00
11野沢(持田)00
寺倉00
01橋本FW熊谷11
01(宮脇)(桜井)00
03穴田新井30
02(磯崎)(佐々木)00
計後前前後計
20137シュート325
440GK6511
1046CK000
312FK347