大阪万博で「漫才説法」 清水の住職2人
【清水】十勝を中心に漫才で仏教の考えを伝える「漫才説法」に取り組む、いずれも清水町内の真浄寺の永田弘彰住職(39)と寿光寺の増山直樹住職(38)のコンビ「シミーズ」が、大阪・関西万博会場で開かれた1日限りの仏教の催し「万博寺」に参加した。2人は「普段の寺とは異なる年齢層の人も大勢足を止め、漫才説法に聞き入ってくれた。若い人にとっても寺が頼れる場所になれるのでは」と手応えを感じている。(吉原慧)
万博寺は、命をテーマにした大阪万博で、仏教の「死をどう受け止めるか」という問いを来場者に考えてもらおうと、超宗派の僧侶有志グループ「万博寺結縁奉仕会」が企画した。
9月26日に行われ、当日は全国のさまざまな宗派から約250人の僧侶が集った。音楽やダンスと念仏を組み合わせた「テクノ法要」や「踊り念仏」、漫才説法などを通して仏教の教えを紹介。大屋根リングのゲート内側に設けられたステージには延べ3000人超が足を止め、タオルを振ったり、体を揺らしたりして仏教に親しんだ。
永田住職は主催者と龍谷大学の同窓で、これまでも漫才説法の催しを開いていたことから、「漫才説法ライブ」のコーディネートと出演を担当。シミーズの他にも、過去に共演した漫才説法仲間7組を集めた。
ステージではトップバッターとして、ライブの注意事項を伝える係員役の漫才を披露。ボケの増山住職が「仏教用語を使わずに分かりやすく説明する」と言いながら、「我慢」や「絶対」などの言葉を発したところ、永田住職がリンを鳴らして実は仏教用語だとつっこみ。日常にも仏教用語が入り込んでいることを笑いで伝えた。
永田住職は「多くの人が耳を傾けてくれ、心の救いやよりどころを求める人は少なくないと思えた。寺でも、幅広い世代を呼び込めるイベントを企画していきたい」と振り返る。増山住職も「『仏教は電車のつり革』と大学の恩師に教わった。地域の人が困ったときにぱっと手を伸ばしてつかめるよう、仏教の縁をつくっていきたい」とさらなる活動を見据えている。