新鮮食材でおいしく病院食、栄養管理にも力 公立芽室病院
【芽室】公立芽室病院(研谷智院長)は、「食」を切り口とした取り組みを強化している。従来からのこだわりの病院食提供に加え、昨年から管理栄養士が患者の食事の様子を観察・評価する「ミールラウンド」を実施し、患者の栄養管理にも力を入れている。(近藤周)
同病院ではかねて、直営による食事提供を行っており、肉や魚は町内の精肉店や地元の魚屋から仕入れている。野菜や果物は極力冷凍ものは使わず、新鮮な食材を使った病院食が自慢の一つ。患者からも「おいしい」と評判だ。
同病院に2年前に転職した栄養管理係の管理栄養士、池田真由さんは「直営での食事提供は、個人対応の細やかな変更にも対応できる」と話す。現在は調理員によって味や盛り付けに差が出ないようなメニューのマニュアル化も進める。
おいしい病院食の提供に加え、昨年から始めたのがミールラウンドだ。食事の時間に管理栄養士が患者の食事摂取量や飲み込み、食べる姿勢などを観察する取り組みで、これにより得られた課題を医師や看護師、言語聴覚士と共有し、食欲不振に対する食事指導や食事形態の改善につなげている。
管理栄養士の熊谷美和栄養管理係長は「(ミールラウンドによって)食べられないことへの改善方法をいち早く提案できる。院内スタッフとの連携も取りやすくなった」と成果を実感している。同病院は経営改善を進める中で、栄養管理係の取り組みも経営の特徴の一つとして押し出していきたい考えだ。