体験談でまとめた「転妻」のサポートブック、帯広出身・三浦さんが出版
孤立して悩みを抱えがちな転勤族の妻「転妻」にこの本を届けたい-。国内外の転妻たちのオンラインコミュニティから「転勤妻サポートBOOK」と題したユニークな電子書籍が出版された。執筆者の一人は、帯広出身で夫の海外赴任に伴い3年前からアメリカで暮らす三浦沙奈恵さん(38)。アンケートを通じ集めた体験談などがまとめられている。(児玉未知佳)
電子書籍を出版したのは2021年設立の転妻オンラインコミュニティー「kinocom(キノコム)」(会員34人)。国内外の転妻へのアンケートで集めた体験談や意見を基に、「仕事・学び」「家族・人間関係」「お金」「住まい・引っ越し」の4テーマで転勤生活のヒントをまとめた。
三浦さんは帯広開西小、帯広緑園中、帯広柏葉高、北大経済学部卒。トヨタ自動車に就職し、人事職に従事した。2013年に社内結婚し、産休・育休を経て復帰後もキャリアを積み重ねてきたが、21年に夫の海外赴任が決まり、退職。家族でアメリカに渡った後、キノコムに入会した。
三浦さんら9人がプロジェクトメンバーとして執筆。三浦さんは「住まい・引っ越し」の部分を主に担った。独身時代を含め、8回以上引っ越しを経験しており、片付けコンサルタントの資格も持つ。片付けに役立つ具体的なポイントなどをつづった。
三浦さんは「転妻は社会の中では見えにくい存在だが、孤立して悩みを抱えている人はいる。当事者だけでなく、パートナーや周りにいる人にも読んでもらい、近づくきっかけになれば」と話している。
240ページ、499円。2月28日から電子版で販売。出版資金はクラウドファンディングで募った。