スピッツが3年越し帯広ライブ MCでは十勝の思い出話も
人気ロックバンドスピッツのライブが21日、帯広市民文化ホールで開かれた。2020年に同ホールでライブを行う予定だったが、コロナ禍で中止となり3年越しに帯広公演が実現。数々のヒット曲を披露し、MCでは十勝での思い出も語られ、集まった満員のファンを楽しませた。
スピッツは5月に3年半ぶりのオリジナルアルバム「ひみつスタジオ」を発売。全国ツアーを開催中で、帯広公演は14年ぶりとなった。新アルバムの曲や長年ファンに愛される曲を披露。声出し解禁のライブに、ファンは一緒になって歌ったり両手を挙げたりして思い思いに楽しんだ。
十勝を舞台としたNHKの連続テレビ小説「なつぞら」(19年)主題歌となった「優しいあの子」が十勝で初披露され、胸元に両手を合わせて目元を光らせるファンもいた。
ライブに合わせて管内では、飲食店でのコラボイベントが開かれるなど街を挙げて歓迎した。ボーカルの草野マサムネさんは「街中を盛り上げてくれてうれしく思います。もともと十勝が好きなんですが、(朝ドラの主題歌などで)縁ができてうれしい」と話し、会場は笑顔で包まれた。
公演後、初めてスピッツのライブに訪れた士幌町の和田峻佑さん(22)は「声が透き通りすぎていて、心に染み渡った。観客の一体感がすごかった」と感激。
同ホール周辺は午後6時15分の開場前からファンでにぎわった。静岡県から訪れた森陽子さん(49)は、市内でのコラボイベントに合わせて柳月やクランベリーの菓子を購入し、「劇場版 優しいスピッツ」の撮影が行われた旧双葉幼稚園園舎を訪れるなど十勝を満喫。「双葉幼稚園は思っていたよりも狭かったが、ここで歌っていたのかと感慨深かった」と話した。(細谷敦生、北村里沙)