オリンピアンが十勝で技伝授 レスリング井上さん、乙黒さん
レスリングのオリンピアンが15日、帯北高で指導した。帯広レスリングクラブ(五十嵐真人代表)の小・中学生や同校レスリング部の部員ら約20人がトップレベルの技術を吸収した。
指導したのは、2004年のアテネ五輪の男子フリースタイル60キロ級で銅メダルを獲得し、現在は自衛隊体育学校レスリング班監督の井上謙二さん(46)と、21年東京五輪の男子同74キロ級に出場し、同コーチを務める乙黒圭祐さん(26)。五十嵐代表も自衛隊体育学校の出身だったことなどから練習会が実現した。
乙黒さんは、組み手の重要性を強調。相手の指や手首、肘、脇、首を制し、優位な試合運びに持ち込む技術を伝授した。選手たちは2人一組になって動きを試しながら、2人に何度も質問を繰り返していた。実戦形式の練習も行われ、真剣な表情でオリンピアンに挑んでいた。稲川瑛太さん(帯北高1年)は「タックルされた後に、ポイントを取られずに逆にどう取るかが勉強になった。教えてもらった技を練習していきたい」と話した。
井上さんは指導者としての思いを語り、「(自分は)先生と親の協力があって高校と大学でチャンピオンになれ、五輪でメダルをつかめた。きっかけをくれた先生のようになりたいと、今は選手を育てている」とした。各地で指導してきた乙黒さんは、「今回が一番質問してくれて、教えていて気持ちが良かった」と、子どもたちの積極的な姿勢を評価していた。(新井拓海)
オリンピアンが十勝で技伝授 レスリング井上さん、乙黒さん