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戦争やロシア関連本の売れ行き伸びる ウクライナ侵攻で

ウクライナ侵攻以降に売れ行きを伸ばしている本屋大賞受賞作「同志少女よ、敵を撃て」(喜久屋書店帯広店で)

 2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、帯広市内の書店では戦争やロシアに関連した本の売れ行きが伸びている。6日に「2022年本屋大賞」の受賞が発表された逢坂冬馬さんの小説「同志少女よ、敵を撃て」(早川書房)も舞台は第2次世界大戦の独ソ戦で、戦争が題材。緊迫した国際情勢や戦争の悲惨さを本を通じて実感する人が増えている。

 「同志少女よ-」は母親をドイツ軍に殺された少女セラフィマが訓練を受け、ソ連軍の女性だけの狙撃小隊で戦う物語。市内の各書店では本屋大賞の受賞決定後、大々的に売り場が展開され、銃を持つ青い目の少女の表紙がずらりと並んでいる。

 喜久屋書店帯広店(西4南12・長崎屋帯広店4階、黒瀬浩店長)の店員、礒野あかねさん(文芸担当)は「自分が戦争を体験しているような感覚になり、生きるためにどうすればいいかを少女と一緒に考えてしまう」と魅力を語る。昨年11月の刊行時から話題となり、同店ではウクライナ侵攻以降にさらに売れ、本屋大賞決定で大きな反響があるという。

 本屋大賞は全国の書店員の投票で決まる。礒野さんは「投票の締め切りは2月28日で、多くの人はウクライナ侵攻が始まる前に投票したと思う。こんなに時代とリンクした物語が大賞を取るとは」と話していた。

 同店では、ノーベル文学賞作家でジャーナリストのスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチが、ソ連の500人以上の従軍女性から聞き取った声をまとめた「戦争は女の顔をしていない」(岩波書店)も人気で、現在は売り切れている。同作を原作とした同名の漫画1~3巻(KADOKAWA)も好評で1、2巻が品切れ中。「話題書」や「海外事情」など各分野の棚でプーチン大統領やロシアに関する本が動いているという。

ロシアやウクライナ関連の書籍が並ぶくまざわ書店帯広藤丸店のミニコーナー

 くまざわ書店帯広藤丸店(西2南8、佐藤留美店長)では「ロシア、ウクライナに軍事侵攻」と題したミニコーナーに関連本を置いている。全国のくまざわ書店グループの週間ベストセラー(4~10日)で新書部門3位に入っている「物語ウクライナの歴史」(中央公論新社)や、同5位の「現代ロシアの軍事戦略」(筑摩書房)などがよく売れている。

 佐藤店長は本の購入理由について、「テレビのニュースではよく分からないロシアやウクライナの歴史的な背景を知りたいという思いがあるのでは」と話している。(松村智裕)

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