美珍樓西家の藤井さんが金賞 青年調理士のための全日本中国料理コンクール
中国広東料理「美珍樓西家」(帯広)の藤井将太さん(34)が「第13回青年調理士のための全日本中国料理コンクール」(日本中国料理協会主催)で金賞を受賞した。本来は決勝で応募レシピを調理して審査に臨むが、コロナ禍のため各部門の予選通過者上位5人が金賞に選ばれた。十勝からの金賞受賞は初の快挙となるも、藤井さんは「本来の審査で結果を出したかったので少し悔しい」と話し、次回大会を見据えている。
札幌市出身の藤井さんは調理師専門学校を卒業後、同市のホテルや中華料理店を経て5年前に美珍樓西家へ。同コンクールは2年に1度の開催で、藤井さんは8年前から挑戦を続けている。2回目の挑戦で金銀銅の各賞に続く入賞を果たしたものの、その後2回は決勝に進めず「リベンジしたいと思っていた」。
今回は「国内産の豚ヒレ肉を使った中国料理の熱菜2種」がテーマの「熱菜・畜禽(きん)部門」で、一輪のバラをイメージした「豚ヒレ肉のロゼワイン紅焼煮込みと花椒翡翠餃子(かしょうひすいぎょうざ)~ローズヒップ塩添え」を出品した。
花びらに見立てた豚ヒレ肉は、透明しょうゆやロゼワイン、紅麹(こうじ)を使って色彩を明るくし、葉を表現した餃子は青汁の粉を皮に加えた。餃子のあんは薄味のため、ローズヒップに塩を混ぜて調味料に。「空間演出となる一皿を考えた。バラのきれいさを表現するのに試行錯誤した」と藤井さん。
13回大会は2020年に開催予定だったが、コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言発令を受けて延期を重ねた末に中止となった。全5部門に304点の応募があった。
(澤村真理子)