秋もある花粉症 キク科やイネ科の植物
花粉症といえば春のイメージだが、この時期にくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状があればキク科やイネ科の植物による花粉症が疑われる。十勝管内の耳鼻咽喉科でも「秋の花粉症」での受診が見られる。
「(秋の花粉症は)ブタクサやヨモギなどが原因。鼻風邪と思って来院するケースもあるが、夏も秋にも花粉症はある」。さつない耳鼻咽喉科(幕別)の石井歓院長はこう話す。鼻炎や目のかゆみなど症状はどの花粉症も変わりない。
帯広保健所では春に花粉を飛ばすシラカバやハンノキ、スギに加え、2014年からイネ科(ススキ、ヨシなど)やヨモギの飛散状況の測定を始めた。十勝総合振興局の屋上に花粉捕集機を設置し、毎年9月末まで個数を調べている。
飛散量は草刈りなどの状況によっても変化するが、昨年の総飛散量はイネ科が1平方センチ当たり20個、ヨモギが同72個。観測する五つの花粉のうち、ヨモギはシラカバに次いで多かった。
今年は23日現在でイネ科が同18個、ヨモギが同14個。シラカバは同96個、ハンノキは同13個、スギは同1個だった。
過去5年の「飛散終了日」はヨモギが9月12~28日、イネ科が同4~16日。同保健所は「植物の種類で飛散の時期が違うので、症状が気になる方はマスクや眼鏡の着用、室内換気といった対策の継続を。睡眠をよく取ることやバランスの取れた食事は免疫機能を高め、予防にもつながる」としている。(澤村真理子)