子育てイベントにもスロープを 持ち運び型を応援ラボに寄付 市民の善意
車いす利用者や高齢者らが建物入り口などの段差を乗り越えるのに役立つ「持ち運び型スロープ」1台が、十勝毎日新聞社の地域協働プロジェクト「とかち子育て応援ラボ」に寄付された。市民の善意を受けたもので、子育てや福祉イベントに役立てられる。
一般社団法人とかち子育て支援センター(長岡行子代表理事)が行う「まちづくりスロープ」事業で購入。本来は企業から広告を募って購入費を支援する事業だが、今回は市民から「子育てイベントで活用して」と同センターに10万円の寄付があった。
スロープは長さ1・25メートルの折り畳み式で、軽量で簡単に持ち運びできるタイプ。踏み板部分に「とかち子育て応援ラボ」「とかち子育て支援センター」のロゴマークのほか、寄付者のお孫さん2人の名前「Kyosuke」「siori」の文字が入っている。
応援ラボのメンバーでもあり、子育てイベント開催などを行う長岡さんは「ありがたいこと。みんなで思いやりのあるまちをつくるきっかけになれば」と善意の寄付に感謝している。
まちづくりスロープ事業は、帯広市内で福祉車両や車いすのカスタマイズを行う「イフ」の内藤憲孝社長や、特殊な素材で広告貼り付けを担当する「ワタナベ工芸」(音更)の渡辺慎太郎社長らが協力。6月に福祉タクシー「ハートランド」(帯広、杉山高志代表)に1台が届けられている。
内藤さんは「数センチの段差でもバリアーとなり、中途障害の人が引きこもる原因になることもある」と、まちに段差が多い現状を指摘。タクシーに積んで利用している杉山さんも「バリアフリーでない所は多く、使う機会が多い」と話す。
長岡さんは「子連れのベビーカーでも段差に引っ掛かったりと、必要としている所は多い」とし、スロープがあちこちにあるまちづくりを目指している。今回のスロープは貸し出しも行う。事業の問い合わせは同センター(0155・38・3558)へ。(デジタル編集部=小林祐己)