帯広の甲賀さんが手掛ける「ポテトフラワー」ロシアで紹介
帯広市の甲賀静香さん(46)が手掛けるアートフード「ポテトフラワー」が、北海道を代表とする一品としてロシアで紹介される。外務省と在ロシア日本大使館が3月2、3日にモスクワで開く日本の魅力発信イベントで、道が出品する食品・スイーツ15品目の中に選ばれた。イベントには、平昌五輪の女子フィギュアスケートで金メダルのアリーナ・ザギトワ選手も参加する予定。
甲賀さんは東京都出身。神戸市の会社フェリシモで道産小麦パンや乳製品の企画開発、食品全般の通販業務に関わった後、2005年に北海道に移住。07年に帯広に拠点を移し、10年に十勝菓子工房華音(かのん)を開業した。
神戸時代から十勝に通い、「生産者の懸命な努力によって生まれる素材の素晴らしさに感激していた」と甲賀さん。帯広に住むようになって「人と自然が絶妙な距離で共生する十勝という土地にも魅了された」と話す。
独立開業して以降、十勝の魅力、良さを伝えるスイーツ作りに試行錯誤。十勝の食材を使ったカステラやバタークリームフラワー、白あんの上生菓子などに挑戦し、たどり着いたのがポテトフラワーだ。
マッシュポテトを絞り出し、花をかたどるアートフードは「世界でもまだ取り組んでいる人がほとんどいない分野」。フランス料理などのメインの皿に添えて提供する食べ方を想定しているという。
2017年から作り、徐々に認知度が高まる中、ロシアで紹介する魅力的な道産品を探していた道国際課の目に留まり、今回の出品が決まった。現地では在ロシア日本大使館やモスクワ市内の商業施設で日本各地の観光地、レジャー施設、食文化などの展示物が出品され、甲賀さんのポテトフラワーも紹介される。
ザギトワ選手には、日本各地から名産品が贈られる方向でイベントが調整されている。甲賀さんは十勝の農場風景と、ロシアの世界遺産「聖ワシリイ大聖堂」を描いたアイシングクッキーを十勝産の砂糖を使って製作中。「ポテトフラワーとともに目に留めてもらえれば」と話す。
ポテトフラワーは現時点で市販されておらず、甲賀さんは4月以降、十勝管内のカフェ、レストランでメニューとして提供したり、作り方を多くの人に知ってもらうためのワークショップを開くことを検討している。(奧野秀康)
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