「平成」消えたカレンダー商戦 「改元で関心高まりを」関係者期待
2019年用のカレンダーと手帳商戦が十勝管内でも本格化している。天皇陛下の退位に伴い、ほとんどの商品から「平成」の文字が消えたのが特徴。関係者は元号改正を機に、カレンダーや手帳への関心が高まることを期待している。
来年4月30日の天皇退位と翌5月1日の新天皇即位に伴い、平成から新元号に変わる。このため、多くのカレンダーは西暦のみの表記となった。また、政府は5月1日を祝日とし、4月27日からの10連休を検討しているが、当然カレンダーは対応できていない。現状で5月1日は「即位の日」と記されているだけで、平日扱いになっている。
顧客に配布する企業用カレンダーを扱う藤商会(帯広、藤川俊夫社長)によると、政府の判断をぎりぎりまで見極めるため、メーカー各社のカレンダー見本が届いたのは例年より4カ月以上遅い9月だった。
300種類以上ある商品の中で、文字だけのシンプルな「文字月表」が注文の約7割を占める。藤川社長は「元号のないカレンダーばかりというのは初めての経験」。胆振東部地震などが企業業績に影響したためか、需要は前年より微減している。
藤丸はアート色の強いカレンダーを中心に約100種類。来年のえと・イノシシのイラスト入り商品もあるが、人気は「猫川柳」(税別1250円=以下、価格は全て税別)。愛らしい猫の写真とともに「猫だって 頼り頼られ 生きてゆく」などの川柳が添えられている。
尾形光琳や横山大観などの日本画を忠実に再現した商品(2500円)も注目を集める。子供家庭用品課の中橋一平係長は「インテリアとして部屋のアクセントになる」と話す。
スマートフォンで日程を管理する人が増えているが、手帳の需要は依然高い。岡書帯広イーストモール店は約600種類の手帳が並ぶ。デザイン性と実用性を両立した「ロルバーン」(750円から)が人気で、イチゴやバナナを表紙にした商品が目を引く。メモ欄が豊富なノートタイプやキャラクター入り手帳も売れている。
文具スタッフの大場裕子さんは「手帳は自分で作る楽しみがあり、使い終わっても1年を見直すことができる」と需要の高さを説明する。カレンダーは卓上タイプ(500円から)が人気で、イヌやネコなど既に売り切れた商品もある。
関係者によると、商戦のピークはカレンダーが11月下旬~12月上旬、手帳は10~12月。(池谷智仁)