温かい食事に市民笑顔 飲食店一部で営業再開
帯広市内で停電解消が進んだ7日夜、電気の復旧で営業を再開した飲食店もあり、市民が温かな食事を笑顔で味わう姿が見られた。住宅地が近い飲食店では多くの来店があったが、市内中心部はまだ閉店中の店も多く、繁華街は閑散とした様子だった。
「回転寿司なごやか亭柏林台店」(西18南2、八巻正幸店長)では、電気復旧を受け7日午前11時から開店。停電が続く大通店(大通南25)の冷凍庫にあった食材と従業員を柏林台店に移した。
メールマガジンで営業を知った市内の辻本舞さん(28)は夫の雄二さん(30)と来店。舞さんは「家が停電のままなので、お店がやっていてありがたい」と話した。
温かいごはんを食べるのが2日ぶりという市内の府川璃虹さん(20)は双子の姉妹の舞海さん(20)と来店。「コンビニでおにぎりが買えずチョコレートなどのおやつを食べて過ごした。いつもよりおすしがおいしいです」と喜んでいた。
八巻店長は「ピークの時間外でも来店が常にあった。お店が開店でき、お客さまの笑顔が見られてうれしい」と話した。
一方、中心部の繁華街ではほとんどの店が臨時休業で、北の屋台も20店舗のうち営業していたのは5店ほど。「居酒屋おみつ」(西1南10、佐々木光博代表)では、通常より1時半遅れの午後6時から開店。午後7時すぎには3人の来店客が歓談していた。
営業している店を探していたという市内の会社員男性(55)は「家にはカップラーメンがあるが最後の手段に取っておきたい。いつも金曜は多くの人でにぎわっているが、どこもすいている。街のこんな様子は初めて」とビールを片手に話した。
佐々木代表は「出せる料理は限られるが、食べるのに困っている人もいるので、少しでも力になりたい」と語った。