スープの味で勝負 トマトラーメン「広州 新囍」 まちマイ八中編
「中華シェフならではのラーメンを味わってほしい」。市内で中華料理店、広州を約30年間経営していた山下哲朗さん(67)が、2015年にオープンした「広州 新囍」(西18南5)。友人に描いてもらったという、山下さんが舌を出すユーモラスな看板が来店客を迎える。
来店客の約4割が注文する「トマトラーメン」(800円)は広州時代からの自信作。トッピングはパセリのみと実にシンプルだ。具材の多さを売りとするラーメン屋と一線を画す。
あくまでスープの味で勝負したい山下さんの強い思いが、そこにある。イタリア産を中心に厳選したトマトを使ったスープは酸味を抑え、飽きのこない味だ。「スープを最後まで飲み干してもらえるよう、調味料にもこだわっている」
ホタテのだしをじっくり引き出す「ホタテやみつきラーメン」(950円)、しょうゆベースだが汁がない「ばん麺」(850円)も山下さん一押しだ。
市内出身で料理人が夢だった。首都圏の大学に進んだが、料理人を諦め切れず、横浜・中華街に飛び込んだ。都内の店舗でも腕を磨いた後、帯広に戻って1987年に広州を開業した。
新囍では店を1人で切り盛りする。「料理から接客、会計まで1人でこなすのは初めてで、最初は戸惑った」と笑う。昼のピーク時は、手が回らずに提供できないメニューもある。
店内は米国をイメージした内装。「中華料理だからといって、いかにも中国といった内装は好きではない」。山下さんのこだわりが凝縮された店だ。
午前11時半~午後2時半、午後5時~同8時半。不定休。問い合わせは同店(0155・35・7650)へ。