浦幌町議会に視察相次ぐ 全国表彰で議員なり手不足対策注目
【浦幌】町議会(田村寛邦議長)への視察が相次いでいる。全国町村議会議長会の最高賞である特別表彰を受賞したことに加え、全国的に議員のなり手不足が課題となる中で、高知県大川村が村議会廃止の検討を始めた一方、町議会が議員のなり手を確保しようと国に意見書を提出する動きがあるためだ。議会の在り方を考える比較対象の事例として注目され、5カ月間で11件の視察が予定されている。
町議会は15年4月の統一地方選挙で定数11に対して欠員1を出した。11年5月から議会の活性化をテーマに取り組んできたが、議員のなり手を確保することを最重要テーマとし、15年5月から「第2次」議会の活性化に取り組んでいる。
こうした取り組みが評価され、全国町村議会議長会が2月に特別表彰。東京都内で開かれた5月の町村議長・副議長研修会で田村議長が全国からの出席者1740人を前に発表し、浦幌の事例を聞いた全国町村から視察先の候補として注目を浴びた。
一方、大川村が町村議会を廃止し村民全員で議案を審議する「村総会」の検討を始めたニュースが同時期に出て、議員を確保する町議会との比較で地元以外のメディアにも多く取り上げられた。総務省自治行政局行政課も6月28日に調査に訪れるなど、国も注目している。
町議会への視察は6月29日の長野県小布施町議会を皮切りに10月17日までに11件の予約がある。神奈川県町村議会議長会など県単位での視察や、遠方では和歌山県九度山町議会からも来る予定だ。
町議会によると昨年度は議会をメーンにした視察は4件だった。田村議長は「この反響はこれまで議会の活性化を一歩一歩検討してきた成果として表れた。取り組みが認められてきた」と手応えを語る。
先月訪れた小布施町議会の視察は全14人と事務局員が、議会報告会や日曜議会、町民への議会に対するアンケート、議員報酬への考え方などを熱心にたずねた。小布施町議会の関悦子議長は「抱えている課題は浦幌も小布施も同じ。長年に渡って検討してきた姿を見て定数や報酬の在り方の参考になった」と感心していた。(関坂典生)