花アレンジ進化、父の日と連動も 母の日商戦本格化
14日の「母の日」を前に、十勝でもギフト商戦が本格化している。定番のカーネーションはアレンジメントが進化し、何かと影の薄い「父の日」と商戦を連動させた百貨店も。関係者によると、以前に比べ母の日直前に商品を購入する人が増え、今週末が商戦ピークとみられている。
藤丸は4月中旬から全館で売り場を展開。母の日は5月の第2日曜日で、昨年はゴールデンウイーク(GW)期間の8日だったためプレゼント購入が連休中に集中した。父の日ギフトも同時購入する割合が高かったことから、今年は初めて母の日・父の日の合同パンフレットを作り、相乗効果を狙った。
ただ、今年の母の日商戦が動きだしたのはGW明け。メンズエプロンなどをそろえた父の日ギフトの売れ行きは、思ったほど伸びていない。
そんな中、母の日向けに藤丸が薦めるのは「genten」のカットワーク2つ折り財布(2万1600円)。牛革の経年変化が楽しめ、年齢を問わないデザインで長く愛用できるという。営業企画課の野瀬洋明係長は「昔はセーターなどの服を贈る人が多かったが、最近は雑貨が好まれる傾向にある」と話す。
感謝の気持ちを伝えるカーネーションも根強い需要がある。市内のフローリスト花ごよみ(西19南4)は赤やピンク、オレンジなど20色以上のカーネーションを用意。「ムーンダスト」と呼ばれる希少価値がある青色も人気だ。
一番人気は、フェルトトートバッグに生花をアレンジした商品(3240円)で、カーネーションのほか、要望に応じてガーベラやバラなどで飾る。生花や長持ちするプリザーブドフラワーに、バルーンや縫いぐるみなどを添えたアレンジ花束も豊富。右田順子社長は「ワインやお菓子を持ち込み、花と一緒にアレンジを依頼する人もいる」と説明する。世界で一つだけの品を贈る人が増えているようだ。
亡き母の墓参りを行う「母の日参り」への関心も高まっている。線香・墓石関連企業などと「母の日参りパートナーシップ」を結んだコープさっぽろは、十勝管内を含む店舗や宅配事業で供物用の花や酒などを提案。「認知度はまだ低いが、母親をしのぶ機会として一定のニーズはある」とし、来年以降も取り組む考えだ。
薫香製造・販売の日本香堂の調査によると、母の日参りの認知度は1割弱だが、約8割は今後の広がりに期待している。(池谷智仁)