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「十勝から毎年甲子園出場を」 NPOが中学生を招待

法人の旗と帽子を前に「帯広・十勝の野球の振興を長く支えたい」と語る山本理事長

 帯広・十勝の野球を盛り上げ、毎年十勝から甲子園に出場するチームを出したいと願う野球好きの有志で結成するNPO法人「Bluered and blue(ブルーレッド&ブルー)基金」(山本英隆理事長)が27日、帯七中・帯清川中合同野球部を全国選抜高校野球大会観戦に招待する。部員全員で甲子園を観戦してもらおうという管内では珍しい事業。山本理事長(52)は「みんなで甲子園出場を目指そうという気持ちになってくれれば」と期待している。

 同法人は管内外の会社役員や野球関係者ら有志10人が立ち上げた。「バットの原材料のアオダモの植林による運動用具材の循環利用と自然環境保全」「帯広・十勝の中学・高校の野球レベルの向上」を目的に、昨年3月にNPO法人として国の認証を受けた。

 事業は(1)アオダモの木の植林(2)野球指導者向け教室の開催(3)中学校野球部の甲子園招待-の3つが柱。運営資金について山本理事長は「提供者の意向で公表は控えるが、事業を20年以上継続できる規模」とする。

指導者講習も開催
 昨年10月には初の事業となる指導者向け講習会を開催。元プロ野球選手・監督の江尻亮氏と同・コーチの遠藤一彦氏を招き、十勝管内の中学校の指導者ら約20人に実技を通してアドバイスを行った。

 今回、第2弾事業となる中学生の甲子園招待は、昨秋の全十勝中体連新人大会で優勝した帯七・帯清川合同野球部に打診し、部員や保護者、学校側の理解を得て実現した。1、2年生部員13人と監督、コーチ4人が参加し、26日に出発。27日に選抜大会を観戦し、28日に帰帯する。

 同部の東海林英幸監督は「優勝したことで声を掛けてもらい、ありがたい。選手は甲子園出場を目標にもっと頑張ろうという気持ちになってくれれば」と楽しみにしている。

 こうした取り組みに野球関係者も注目する。

 芽室町職員の江崎健一さん(47)は、1986年に帯三条高左翼手として甲子園出場を果たし、長男雄大さん(現釧路公立大2年)も2013年に帯大谷高の控え投手として甲子園のベンチ入りをした。「甲子園の飲み込まれそうな歓声は独特。そこでプレーするには先輩や指導者、地域の支援があってこそ実現する。地元の子が地元の高校から甲子園に出場すれば応援のしがいもある。法人の試みは夢がある」と理解する。

試みに周囲も期待
 「十勝に移り住んで18年。各世代の十勝のチームのレベルの高さを身をもって知った」と六花亭野球部元監督の山本理事長(52)。「有望な中学生が管外に流出することなく、地元の高校で腕を磨き、毎年のように十勝の高校が甲子園に出場してほしい。そのために中学野球の指導者に新しい野球を学ぶ機会も提供したい」と熱く語っている。(大野篤志)

<プロフィル>
 やまもと・ひでたか。1965年、石川県生まれ。甲子園出場常連の金沢高出身。200人いる部員の中で1年生からベンチ入り。拓殖大(東都2部)では1年生から4番に。社会人野球の北海道拓殖銀行野球部で9年間レギュラーとして活躍後、コーチを3年務め、2000年に六花亭野球部の監督に就任。9年間率い、04年の健康保険野球大会では日本一に導いた。保険会社「ごろすけ」代表取締役。

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