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厚生病院のがん相談、盛り返すも道内では少なめ

「ゆったりしたスペースで相談が受けられます」と話す村瀬看護師(左)と、がん相談支援課の大野和枝さん

 十勝で唯一のがん診療連携拠点病院・帯広厚生病院(帯広市西6南8、菊池英明院長)内にある「がん相談支援センター」の今年度の相談件数は昨年12月末現在363件で、年度トータルでは2年連続で前年実績を上回りそうだ。ただ、道内の他の拠点病院に比べると少ないのが現状で、同センターでは「院内外を問わず利用できることを、さらに啓発していきたい」としている。

 がん診療連携拠点病院は全国どこにいても、がんの状態に応じ、がん医療を受けられるよう厚生労働省が指定している。相談事業もその一環で、帯広厚生病院は2007年7月に相談センターを開設した。

 同センターの相談件数は07年度が374件。11年度に497件に伸びたが、12年度は419件、13年度は326件、14年度は391件だった。担当看護師の村瀬麻菜美さんによると、今年度は「前年ベースより多い状況。このまま推移すれば、400件は超えそうだ」とする。

 相談内容は、開始当初は「症状、副作用、後遺症への対応」や「漠然とした不安」で半数以上を占めたが、最近は「医療費・生活費」と「セカンドオピニオン」関連が多い。特にセカンドオピニオンについてはここ3年間、毎年、前年比5割増で推移。14年度は全体の16%に上り、今年も同様の傾向という。

 具体的には、セカンドオピニオンを受けたいが「主治医に申し訳ない」と迷っていた人について、不安な部分を整理し、主治医につないだ上で、別の医師からも同様の話を聞くことで安心して治療に入った例などがあった。

 ただ、道内の同様の相談センターの年間相談数を見ると、北海道がんセンターの8334件をはじめ、釧路が2病院で約2500件、北見でも547件(いずれも14年度)。「カウントの仕方が各院でばらばらで、一概に比較はできない」(村瀬さん)としつつも、道内にある21拠点病院の中で帯広は最も少ない件数という。

 帯広としては近く啓発用のポスターを新しくし、改めて管内の医療機関などに配布する予定。また、院内外のがん患者とその家族が集うサロンとして同病院が運営する「エンポックル」(毎月第3水曜)の活動充実に向け、好評の懇談会の回数を増やす考えだ。

 村瀬さんは「サロンも相談センターも、がん患者なら院内外を問わず利用できることをもっとアピールたい」としている。同センターの電話番号は0155・24・4161(内線2503、午前9時~午後4時半)。(佐藤いづみ)

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