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故宮嶋眞一郎さんの思い描く 帯広で道内先行上映

「アラヤシキの住人たち」の鑑賞を呼び掛ける本橋監督(左)と宮嶋代表

 長野県小谷村にある真木共働学舎の1年間に密着したドキュメンタリー映画「アラヤシキの住人たち」が9月5日から、シネマ太陽帯広(帯広市西3南11)で公開される。共働学舎新得農場の宮嶋望代表の父で、全国に5カ所ある共働学舎の創立者・宮嶋眞一郎さん(今年4月死去)の理念が伝わる作品。道内では皮切りの公開となり、宮嶋代表ら関係者は多くの鑑賞を呼び掛けている。

 共働学舎は自由学園(東京)の元教員だった眞一郎さんが「競争社会ではなく協力社会を」との理念に基づき、1974年に設立した。現在、道内2カ所(寧楽=留萌管内小平町=と新得)と長野(真木・立屋)、東京(東久留米)にある。年齢や性別、境遇もさまざまな人たちが共同生活し、農業や酪農、工芸、動物の世話などを通じ、自立を目指す場所として運営されている。

 作品の舞台となる真木共働学舎は、集落の住民が使っていた数軒のかやぶき屋根の民家や田畑を受け継ぎ、麓から車の通れない山道を1時間半ほど歩いた場所にある。個性的な面々が自分の得意とすることを持ち寄り、担い合って暮らす様子が、大自然の四季とともに記録されている。

 本橋成一監督、上映時間は117分。5月から全国で順次公開され、道内では帯広の後、9月12日から札幌、同26日から函館、苫小牧でも上映される。

 道内での公開に先立って26日、本橋監督と宮嶋代表が札幌を訪れ、映画をPRした。本橋監督は「(眞一郎)先生は中学時代の恩師で、真木には何度も通った。自分が教わった知恵が凝縮されている場所で、そこでの1年をしっかり記録しておこうと思った」、宮嶋代表は「5カ所の共働学舎はそれぞれ地域社会と連携し個性的に運営されているが、生きにくさを抱えるメンバーが協力し合い、生きることを目指す構想は同じ」と話した。

 帯広公開初日の午後1時45分からの上映が終わった後、宮嶋代表の舞台あいさつが予定されている。全国共通特別鑑賞券1300円。問い合わせはシネマ太陽帯広(0155・20・1525)へ。(浅利圭一郎)


◆アラヤシキの住人たちについて
アラヤシキの住人たち-公式ホームページ

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