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「北海道移住の本」台湾版が経産大臣賞に ソーゴー印刷

「北海道移住の本」台湾版を手にする高原社長と鎌田編集長

 ソーゴー印刷(帯広、高原淳社長)が台湾の出版社と組んで発行した「北海道移住の本」台湾版が、日本グラフィックサービス工業会(ジャグラ)主催の作品展で、出版印刷物部門最高賞の経済産業大臣賞に輝いた。コンテンツを2次利用して海外展開する手法が評価されての受賞で、同社の今後の海外展開に向けて弾みになりそうだ。

 「北海道-」は同社の出版部門クナウマガジンが発行する季刊誌「スロウ」を再編集し、道内への移住者の暮らしぶりを紹介した別冊。同誌は、古びない真の北海道の魅力を掘り起こして紹介するのが特徴で、その分、取材に手間暇がかかっている。「価値のある情報をスロウだけで掲載するのはもったいなく、海外の人にも知ってもらいたい」(高原社長)と考えていたところ、2年前に台湾の出版社から「北海道-」台湾版制作の打診を受けた。

 現地出版社と印税契約を結び、コンテンツを提供。これを相手方が翻訳・編集し、昨年1月に第1号を出版した。制作に当たっては、原書の理念や質感を尊重することを条件とした。海外での出版は同社にとって初めての取り組みで、契約面などで不安もあったが、コーディネートした札幌の取次会社を交えてやりとりする中で、信頼関係が築けたという。

 高原社長は「日本からのコンテンツ輸出に対する関心が高まっている」と受賞の背景を説明。「印刷会社が異業種と組んで何かをやろうとすると、下請的になってしまう体質がある。今回、3者が対等な関係で本を作り上げたことで、業界的に将来の道筋を示せた」と喜ぶ。

 昨年9月には第2号を出版。その際、台湾側の編集権を大幅に認めたところ、原書のイメージは残しながら、タイトルや写真の選択も含め別物に。台湾側とのやりとりに携わった「スロウな旅北海道」の鎌田暁子編集長は、「私たちと先方とでは、良いと感じる北海道の風景が違うことが驚きだった。現地で求められるのがどういうものか知ることができた」と話す。

 同社は「北海道-」を中国でも出版する計画。その他の出版物も含め、北海道に対する関心が高いアジア各国で展開することを検討している。高原社長は「海外でも北海道的ライフスタイルを目指している人は一定層いる。ブームに振り回されず、北海道の文化や観光情報など価値ある情報を海外に伝えていきたい」意欲を語る。

 ジャグラ作品展は、印刷業界の技術力向上やマーケットへのアピールを目的に1966年から続くコンクール。同社は2005年に出版印刷物部門、06年に開発開拓部門で最高賞を獲得している。(丹羽恭太)

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