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「お空の幼稚園」設立へ 流産、死産乗り越える父母の会

記念に残した「めい」ちゃんの足形と、ワークショップで使用予定の絵本テキストを手にする寒川井さん夫妻

 心理関連の講師業を務める寒川井誠さん(36)と留美さん(43)夫妻=帯広在住=が、子宮内胎児死亡や流産、死産を経験した父母の会「お空の幼稚園」の設立へ準備を進めている。3月に留美さんが妊娠32週で子宮内胎児死亡での死産を経験。流産など同様の経験をした人の力になり、情報共有する場をつくりたいと立ち上がった。絵本作りなどワークショップを交えた会とし、6月4日に市内で第1回を行う。

 2人は昨年結婚。今年5月に出産予定のお腹の中の子を「めい」と名付け、留美さんの2人の娘と共に5人家族になる日を待ち望んでいた。しかし、3月中旬になって病院で医師から突然、「赤ちゃんの状態が厳しい」との宣告。同18日に心臓が動いていないことが確認された。

 女児と言われていた「めい」ちゃんは、男の子だった。当時、留美さんは血圧が高めではあったが、はっきりとした死因は分からないという。「小さな手で、顔もきれいで眠っているよう。信じられなかった」と留美さんは話す。

 旭川市出身の誠さんは現在、全国で展開されているコーチングやカウンセリングの要素を生かし、やる気を引き出すための独自メゾット「魔法の質問」の発案者の右腕として普及に努め、全国で講義を行っている。留美さんは本別町出身。2011年に同メゾットと出会い、「質問家」の肩書きで学校や会合などでファシリテーターとして活躍している。

 会の立ち上げに関し、誠さんは「火葬や納骨など、悲しいのに多くのことを短期間でこなさなければならないのがつらかった。周りに情報もなく、調べるのに苦労した」といい、留美さんは「役所に死亡手続きに行ったとき、ナンバリングが60番台だった。同じような思いをしている人が思った以上に多いのではと感じた」と話す。

 会では単に話すだけでなく、ワークショップ体験を通じ、「気持ちを整理する機会をつくり、少しでも前向きな気持ちになってほしい」(誠さん)という。

 初回はLIXILショールーム帯広(帯広市大通南24)で午後2時から。絵本を作りながら、赤ちゃんの目線でお腹に来た理由を考える。参加無料。誠さんは「将来的にはNPO法人にし、ボランティアで夫婦で続けていきたい」と話している。問い合わせは留美さん(090・3114・3872)へ。(佐藤いづみ)

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