帯広出身の市川純子さん、カーネギーホールでリサイタル
帯広市出身で米ニューヨーク市在住のピアニスト市川純子さんが、世界中の名だたる音楽家やアーティストが演奏し「音楽の殿堂」として知られるマンハッタンのカーネギー・ホールで演奏会を開く。演奏会は27日午後8時(日本時間28日午前9時)から。市川さんは「一つ夢がかなった。ベストの演奏を披露したい」と抱負を話している。
市川さんは帯広花園小、帯広第四中、帯広柏葉高校卒。4歳から市内の才養音楽教室でピアノを習い、東京芸大音楽学部ピアノ科を卒業後、2000年にニューヨーク大学教育学部に留学。03年からマネス音楽大学ピアノ科で学んだ後、ニューヨークを拠点に演奏活動を続けている。
カーネギー・ホールでの演奏会は、市川さんのニューヨーク留学のきっかけとなった恩師セイモア・バーンスタイン氏を題材にしたドキュメンタリー映画「Seymour: An Introduction」(イーサン・ホーク監督)が製作され、3月から全米で上映が始まったことに加え、同氏の88歳の誕生日(4月24日)を祝福するために企画された。同映画には市川さんも演奏とインタビューで出演し、予告編にも登場している。
演奏会は2部構成で、1部では同映画で使われた曲を、2部ではバーンスタイン氏が作曲した作品を演奏する。当日は振袖で演奏予定といい、同氏がハリウッド俳優でもあるホーク監督のために作曲した「The Hawke」を世界初演として披露する。
「ニューヨークに来て以来、カーネギーホールでのソロリサイタルは憧れだった。それが現実となり、うれしい反面、すごいプレッシャーも同時にある」と市川さん。「十勝、帯広の大自然に囲まれて育った自分がカーネギーデビューすることで、十勝の子供たちに希望を与えられたらいいなと思う。近い将来、帯広でセイモアの映画や音楽を私の演奏で広められたら」と話している。(大谷健人)