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「ホトトギス」に化石教室の写生文 足寄出身の飯山さん

化石教室の写生文が掲載されている俳句雑誌「ホトトギス」と飯山さん。手前は飯山さんが発掘した化石

 【足寄】明治期から続く俳句雑誌「ホトトギス」(合資会社ホトトギス社発行)の1月号に、町出身で化石ファンの飯山廣美さん(71)=帯広市南の森=の写生文が掲載された。昨年6月、町内で開かれた足寄動物化石博物館主催の化石教室の体験談をまとめた。飯山さんは「化石の魅力を多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 飯山さんは町大誉地生まれ。1976年、町内で動物化石「アショロア・ラティコスタ」(デスモスチルスの仲間)が発見されたこともあり、化石の魅力に取りつかれた。中学教諭だった夫の力一さん(76)の転勤で足寄を離れた後も同博物館をたびたび訪れ、太古のロマンを感じてきた。

 一方で、俳句の創作にも取り組み、「ホトトギス伝統俳句会」会員として定期的に同誌に俳句を投稿、過去に何度か作品が掲載されている。数年前から事実をありのままに書く「写生文」にも挑戦。家庭菜園など身の回りの出来事を題材に毎月投稿していた。

 今回掲載された作品「化石教室」は、昨年6月1日に力一さんとともに町内の2500万年前、500万年前の地層で化石を発掘する体験をつづったもの。

 化石を見つけて喜ぶ幼児とのやりとりや、化石の美しさに感動する様子が生き生きと書かれており、最後は「遥か昔から現在へとときの流れがまぎれもなくつながっているという感覚につつまれていくのであった」と結んでいる。

 飯山さんは「化石を通じて動物の進化の過程が分かるのは感慨深い。発掘の感動は何物にも代え難い。博物館には毎日でも行きたい」と魅力を話す。

 同博物館の澤村寛館長は「化石教室に感動していただいていること自体が感激。俳壇という精神世界の分野に、普段の生活にあまり関係がない化石が取り上げられるのがおもしろい」と話している。

 「ホトトギス」は月刊で1750円。1月号(248ページ)には、全国から寄せられた俳句作品の他、11編の写生文が掲載されている。

<俳句雑誌「ホトトギス」>
 1897(明治30)年、正岡子規の友人柳原極堂が創刊。夏目漱石の小説「吾輩は猫である」「坊ちゃん」を発表したことでも知られる。大正・昭和初期を代表する俳句雑誌。現在は高浜虚子の曽孫である稲畑廣太郎が主宰している。「写生文」は俳句・短歌の近代化を進める子規が「物事をありのままに書く」ことを提唱した散文の文章スタイル。


◆俳句雑誌「ホトトギスについて
ホトトギス-公式ホームページ
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