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主役に帯広出身松本さん 「ノクターン-夜想曲」

「ノクターン」の通し稽古。右が主役の松本さん

 富良野市在住の脚本家倉本聰さん(80)の作・演出による富良野GROUP公演「ノクターン-夜想曲」で、帯広出身の松本りきさん(34)が主役に抜てきされた。同作品は東日本大震災、福島第1原発事故をテーマとし、10日に富良野で全国公演がスタート。十勝公演は千秋楽の3月14日、幕別百年記念ホールで行われる。

 倉本さんが「早くも風化しつつある震災や原発事故を改めて問い直す、自分なりの『鎮魂歌』」と話す作品は、東日本大震災から数年後の福島が舞台。原発事故で避難区域となった海辺の一軒家に、津波で2人の娘を亡くした中年の男と同僚を亡くした新聞記者が入り込む。そこで松本さんが演じる津波で父親を失った彫刻家の女性と出会い、物語が進んでいく。

 2013年8月10~12日の3日間、“実験”として上演した後、倉本さんが大幅に改稿した。今月10~18日の富良野を皮切りに、道内8カ所、福島県内5カ所を含む全国24カ所39公演を予定している。

 5日午後、富良野市内の劇場「富良野演劇工場」で公開通し稽古が行われ、松本さんはミステリアスな雰囲気を醸し出す女性の役を熱演。大役に緊張を見せつつも「公演に向けてどれだけ魂を込められるか。被災地や被災者の方の心に寄り添えるような舞台にしたい」と意気込みを語った。

 十勝公演に向けては「この舞台は『故郷』がテーマ。誰よりも特別な思いを持って十勝公演に臨むことができる。十勝への愛情を込めたい」と話した。

 松本さんは1980年、帯広生まれ。帯広柏小、帯広第三中(現・翔陽中)、帯広三条高校卒。19歳のときに倉本さんの「富良野塾」に入塾した。2010年に富良野塾が閉塾した後も演劇集団「富良野GROUP」や「富良野塾OBユニット」などとして活躍している。

 幕別公演は3月14日午後7時開演。チケットはA席3500円、B席3000円(当日券はいずれも500円増し)。勝毎サロン(藤丸7階)などで扱っている。(大谷健人)


◆富良野GROUP公演「ノクターン-夜想曲」について
公演概要およびチケット情報-幕別百年記念ホール公式ホームページ

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