オリジナル歯みがきソングでピカピカ 大樹
【大樹】大樹町内の園児に親しまれているオリジナル歯みがきソングがある。町内4保育所・園で毎日の昼食後、全ての子供たちがラジカセから流れる楽曲と歯の位置、種類に分かれた歌詞(全20番)に合わせて歯をピカピカにしている。小さい頃から歯を1本1本きれいにすることが習慣化されており、従来の歯みがき指導などとの相乗効果で町内の平均虫歯本数(永久歯)は小学6年生まで十勝管内最少レベルを誇っている。11月8日は「いい歯の日」-。
その名も「よい子のはみがきうた」。2010年に町歯科衛生士の柳平富美代さん(57)と夫勤さん(61)夫妻が作った。作詞は富美代さん、作曲は勤さん。歌詞は「上の歯・奥歯」など細かく分かれている。「全ての歯をきれいにしてもらうため」(富美代さん)だ。ワンコーラスが30秒程度と短く、磨きやすいリズムに仕上げている。
子供たちが歯みがきを「楽しく、分かりやすく、続けられるように」と考案。大樹南保育園、同北保育園、町立尾田保育所、同旭保育所で毎月1回行っている年長組の歯みがき指導では、大きなパペット(操り人形)で音楽に載せて歯ブラシを当てる場所を示しながら実践。子供たちは10分以上、手鏡を見ながら集中して歯を磨く。
10月28日に行われた歯みがき指導では、北保育園5歳児クラス20人が悪ふざけすることなく、マイ歯ブラシとマイ鏡を持って自分の歯と向き合っていた。播間陸峻(りくと)ちゃんは「歌が流れると楽しい」とにっこり。泉花奈ちゃんは「歯みがき大好き!」と声を弾ませていた。富美代さんの取り組みを保育士も歓迎。武内千秋園長は「CDになっているので、柳平さんがいなくても自分たちだけでできる。良い習慣を付けてもらっている」と感謝している。
オリジナルソングの存在は平均虫歯本数減少にもつながっている。帯広保健所がまとめた2013年度の十勝管内市町村別平均虫歯数(1学級分)によると、小学6年生の処置した虫歯の数は1人平均0・21本で、小学1、2年生は0本。6年生で2・55本、2年生で0・55本ある町村もある。1978年から富美代さんが保育所・園と連携して行っている歯みがき指導、93年に管内でもいち早く始めた園児のフッ化物洗口との相乗効果が際立っている。
歯みがきソングには奥歯の永久歯「6歳臼歯」専用のものもある。子供たち全員が歌詞を覚えている人気曲。富美代さんは「みんながやる気になってくれていることがうれしい。子供たちが親になったときに自分の子供に歌ってくれたら最高」と話している。(関根弘貴)
「よい子のはみがきうた」
※(一部抜粋)
「最初は歯の表側」
上の歯、糸きり歯
お砂糖大好き むし歯菌
お口の中にむし歯菌
シュッシュッシュッシュ
退治しよう
(中略)
「次は歯の裏側」
下の歯、前歯
おさかな大好きぼくわたし
おさかな嫌いなむし歯菌
シュッシュッシュッシュ
おさかな食べよー
(中略)
「最後は奥歯のかみ合わせ
上の歯 奥歯のかみ合わせ」
ご飯のあとは、歯をみがこう
小さく小さく横磨き
シュッシュッシュッシュ
忘れずに
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