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焼き肉にミートソース? まちマイ大樹編

肉牛祭りの思い出を語る菅原さん

 大樹町では焼き肉にミートソースを付けて食べる文化があるらしい-。そんなうわさを聞いて調べてみると、同町役場OBで“ミートソース焼き肉”を考案した菅原隆さん(90)にたどり着いた。

 菅原さんは「大樹町和牛まつり」の前身である「肉牛祭り」を立ち上げた一人。今から40年以上前に、「和牛の魅力を町内に広めたい」と思い企画した。開拓農協の貸付枠で購入した和牛を町民の協力で飼育・加工し、町福祉センターの屋上で開催したのが祭りの始まりという。

 その際、肉にはタレが必要だとの話になったが、和牛の研修で出向いた広島県や島根県の人から「和牛にミートソースを付けて食べるとおいしい」と教えられたことを思い出し、提案したところ採用になった。

大樹独自の食文化「ミートソース焼き肉」。農家らに根強い人気がある

 当時加工に携わった奈良精肉店会長の奈良重雄さん(81)は「肥育技術の進んだ今、和牛は塩コショウで食べるのが本来だが、なぜか根強い人気を誇る」と語る。事実、農家やJA、役場職員の中では、和牛にミートソースを付けて食べることは「当たり前」の感が強い。もっとも、町内で自営業を営む今村克俊さん(65)のように「長いこと住んでいるが初めて聞いた」という人も。“常識”とは言い切れないようだ。

 入植当時から、肥育まで一貫して行っている「夢がいっぱい牧場」の片岡文洋会長(69)は「当時メジャーではなかった和牛を導入し、広めようとしてきた肉牛組合(現和牛生産改良組合)など、関係者は大変な努力をしてきた」と語る。“ミートソース焼き肉”はただの食文化ではなく、菅原さんたちのような先達の思いと、町民の和牛に対する熱意の継承なのだ。

 ちなみに、使用されているものは「マ・マー」の缶詰が多いとのこと。(宮本敬)


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