トンネルで避難誘導訓練 JR石勝線、新得
【新得】2011年5月に発生したJR石勝線の列車脱線火災事故を受け、JR北海道釧路支社(大江秀夫取締役釧路支社長)は2日未明、桜山トンネル(新得町、全長330メートル)で避難誘導総合訓練を行った。乗客役の同社社員や新得町役場、十勝総合振興局、警察、消防など総勢約140人が参加した。
午前3時40分から行われた訓練では、乗客約60人を乗せた特急列車が新得駅を出発。直後に配電盤から出火したとの想定で、桜山トンネル内に緊急停止した。
訓練用の煙が車内に充満する中、乗客役は乗務員の誘導に従い、二手に分かれて列車から下車。札幌・釧路両方面のトンネル出口を目指した。乗客やけが人役を搬送しての救護訓練もあり、警察や消防がけが人の容体を細かく確認。乗客役は新得山スキー場ロッジに避難し、同社社員は急病人の対応や非常食の配布に追われた。
運転士の瀬尾光俊さんは「乗務員間の情報伝達や避難誘導をもっとスムーズにできれば」、車掌の小林大樹さんは「頭で想像することと実際は違った。今後も訓練を重ねていく必要がある」と振り返った。
大江支社長は「いかに迅速に避難誘導できるかが重要。本日の訓練を振り返り、課題を探ることでいざというときに備える必要がある」と話し、来年以降も訓練を継続する意向を示した。(土屋航)
◆JR北海道石勝線脱線火災事故とは
・特急列車、トンネル内で火災事故 240人避難-十勝毎日新聞電子版(2011/05/28)
・JR石勝線事故 車両部品の脱落が脱線原因か-十勝毎日新聞電子版(2011/05/29)
・JR北海道石勝線脱線火災事故3年 「北の鉄路」再生へ道半ば-十勝毎日新聞電子版(2014/05/27)