帯広出身の熊切監督、モスクワ映画祭グランプリ 十勝も祝福
帯広出身の映画監督熊切和嘉さん(39)の監督作品「私の男」がモスクワ国際映画祭でグランプリを受賞したのを受け、熊切さんの家族や友人、十勝の映画関係者からも喜びや祝福の声が上がっている。
熊切さんの兄宏樹さん(46)=帯広=は、「『海炭市叙景』(2010年)のころから『モノになってきたな』と感じていた。良い作品と良い俳優さんに恵まれて、いつかは大きな賞を取ると思っていた」と活躍を喜ぶ。「これからも自信と謙虚さを兼ね備えて、周りの人たちに支えられながら、どんどんビッグになってくれれば」と期待を寄せる。
帯広柏葉高校時代の友人で、熊切さんのメジャーデビュー作「空の穴」(01年)で、自身が経営する自動車整備工場を撮影場所として提供した桑原淳さん(39)=幕別=は、「ただただうれしい。学生時代から作品のニュアンスがぶれない彼の努力はすごい」と祝福する。「作品からは想像できないと思うが、学生時代はけっこうおちゃらけた男で、卒業式ではパンツ一枚で卒業証書を受け取っていた」と意外な一面を明かし、「これからも十勝に帰ってきたときは一緒に飲んでほしい」と笑う。
「“おらがまち”の監督の作品は地元の人に丸ごと紹介したい」との思いで、「空の穴」以降ほとんどの熊切作品を十勝で上映してきたCINEとかちの豊島晃司さん(62)は、「本当にうれしい」と感激する。「私の男」については、「彼は集大成と位置付けているが、私には新しい世界への挑戦に見えた。タブーな内容でも、そこに人間がいる限りは真正面から受け止めて描くという、飽くなきチャレンジ精神を感じた」と高く評価している。(丹羽恭太)
◆熊切さん監督作品「私の男」について
・映画『私の男』-公式ホームページ
・「私の男」全国公開 熊切和嘉監督インタビュー-十勝毎日新聞電子版(2014/06/14)
・遊楽ナビ「来月公開の熊切監督『私の男』主演浅野忠信さん」-十勝毎日新聞電子版(2014/05/23)
◆『熊切和嘉(くまきり かずよし)』
・熊切和嘉氏-ウィキペディア。日本の映画監督。北海道帯広市出身。
・熊切和嘉監督関連記事-十勝毎日新聞電子版