園芸シーズン到来 専門店などにぎわう
暖かな日が続き、十勝にも園芸シーズンが到来した。帯広市内の専門店やホームセンターでは色とりどりの花苗や多彩な野菜苗がずらりと並び、多くの買い物客でにぎわっている。プランターでも育てられる手軽さや食育の観点から、近年は若い世代でもガーデニングや家庭菜園を楽しむ人が増えており、各店は充実の品ぞろえで幅広い需要に応えている。
イノタニ(西5南30)では4月中旬から今春の園芸商品を徐々に展開し、花苗はほぼ出そろった。花びらに斑(ふ)が入ったバーベナ(1ポット490円)や、新商品で深みのあるワイン色が特徴のエミネミア(同)などが人気。問屋から仕入れた苗を同社オリジナルの土に植え替えて他店との差別化を図る。
最近は花苗や寄せ植えを買い求める若い男性の姿も見られ、販売スタッフの土屋由季さんは「マンションの方もベランダに飾って楽しんでいるのでは」と話す。ハンギングバスケットなどの雑貨類も好調だ。数年前からは幼稚園や小学校から野菜苗の注文が増え始めた。
帯広ガーデンセンター(川西町基線58)では、家庭菜園用に野菜の苗を買い求める人が多い。実がハート形になるミニトマト「トマトベリー」(320円)やナス、キュウリの他、サツマイモやゴーヤも売れている。「(ゴーヤなどは)以前は苗すら売らなかったが、北海道の夏も暑くなり、(育てることが)できない野菜がなくなっている」と従業員の吉村剛さん。
最近は小さな子供を連れた若い世代の来店も目立つ。「自分で育てたものは安心でき、お子さんと収穫を楽しみたいのでは。初心者の方から『どんな肥料がいいか』と問い合わせもある」(吉村さん)という。
ホーマックスーパーデポ稲田店(稲田町南9線)でも正面入り口に大々的にコーナーを展開する。花苗をはじめとしたガーデニング関連商品の売り上げは年々伸びており、毎年品ぞろえを充実させている。売り場担当の神田節子さんは「畑がなくても、ベランダにプランターを置いて育てる人も。“花好き”や家庭菜園を楽しむ人口はどんどん増えている」と話している。(澤村真理子)