例年より早くウラホロイチゲ咲く 浦幌
【浦幌】町内の統太地区で3月下旬からウラホロイチゲが開花が始まり、春の訪れを告げている。例年は4月下旬に咲き始めるが、暖かな日が続いたため開花が早まったとみられる。
開花が見られた3月29日の浦幌は最高気温が15・7度まで上がり、一気に“春モード”となった。近くにはアズマイチゲ、キバナノアマナ、エゾエンゴサクも咲き、帯富地区では成虫で越冬したクジャクチョウが飛ぶ姿も見られた。
ウラホロイチゲは道東の低山地に分布し、浦幌で最初に確認されたことからウラホロの名が冠された。キクザキイチゲに似ているが、全体が小型で、花弁状のがく片は5~8枚で短く幅が広い。
帯広百年記念館の持田誠学芸員は「3月にウラホロイチゲやエゾエンゴサクが咲いたとは驚き。雪が少なかったことと、気温の高い日が続いたからだろう」と話している。
(円子紳一通信員)
ウラホロイチゲ キンポウゲ科・アネモネの仲間、別名アムールイチゲ。1984年に浦幌で自生しているのが初めて発見された。国内では十勝・釧路の道東の限られた地域のみに分布。国外では中国や極東ロシアに広く分布し、氷河期の生き残りとも言われている。日本のレッドデータ(環境省、97年)では絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)に記載されている。