往年の名馬タイキシャトル20歳
【大樹、日高管内浦河】フランス最高峰レース(G1)など国内外通算13戦11勝の成績を収めた往年の名馬タイキシャトル(アメリカ産、牡、栗毛)が23日、20回目の誕生日を迎えた。人間なら80歳の“おじいちゃん”となった今も種牡馬としての人気は健在。毎年、年間100件近く種付けしている。現在、過ごしている牧場「イーストスタッド」(日高管内浦河町)には多くの競馬ファンが足を運んでいる。
タイキシャトルはかつて町内にあった牧場「大樹ファーム」で育ったスプリンター(短距離=1200~1600メートル=を得意とする馬)。「北海道航空宇宙産業基地構想」を掲げた「宇宙のまちづくり」に携わっていた助役時代の伏見町長が、スペースシャトルからの連想で名付けた。
1997年のデビュー戦で勝利すると、7戦目の「マイルチャンピオンシップ」(同年11月)でG1初制覇。98年にはフランス最高峰レースの一つ「ジャック・ル・マロワ賞」でもトップに立ち、短距離のスペシャリストとして初めてJRA(日本中央競馬会)賞年度代表馬に選ばれた。総獲得賞金は8億1141万円。レースで1、2位に入る連帯率は92%で、3位となったのは引退レースの「スプリンターズステークス」(同年12月)のみ。
引退後の99年からは「イーストスタッド」と「アロースタッド」(日高管内新ひだか町)を2年おきに行き来している。種付け需要は高く、産駒(子孫)も活躍。メイショウボウラー、レッドスパーダなど重賞馬を輩出している。昨年12月の2歳新馬戦で勝っている馬に期待が寄せられている。
高齢となってからも血気盛んで、担当者からは「やんちゃ坊主」と呼ばれるほど。種牡馬となって15年がたった今でも見学者は多く、夏場の期間中には週に10人は足を運ぶ。
タイキシャトルの共同馬主の一人で、2011年に再会している伏見町長は「町民を沸かせてくれた最高の馬。いつまでも元気でいてほしい」と話している。
(関根弘貴)