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上智大に車を寄付 浅野カメラ堂の浅野祐一オーナー

新しい「浅野号」の前に立つ石澤教授

 カンボジアのアンコール遺跡の調査・研究に活用してもらおうと、浅野カメラ堂(帯広)オーナーの浅野祐一さん(69)が母校の上智大学にピックアップトラック1台を寄贈した。同大前学長で同遺跡研究第一人者の石澤良昭教授(76)=帯広市出身、同大アジア人材養成研究センター所長=は帯広三条高、同大の同窓生で、車両の寄贈は3台目。浅野さんは「石澤先生はコツコツと地道な努力をする学者で心から尊敬できる人。今後もできる限り応援したい」と話している。

 浅野さんは2000年に十勝環境ラボラトリーの「国際環境大学公開講座」で初めて石澤教授に会った。「カンボジア人による、カンボジアのための、カンボジアの文化遺産保存」を掲げる石澤教授の活動に共感し、懇親会の席で申し出て01年にワゴン車1台を贈った。

 ワゴン車は「浅野号」と名付けられ、現地での研究・調査に活用された。03年にはクレーン車も贈った。浅野さんは同ラボラトリー専務を務めていた坂本和昭さん(坂本ビル社長)とともに01、03年の現地での車両贈呈式の他、07年にはアンコール・ワット周辺の文化遺産を収めた「シハヌーク・イオン博物館」の竣工(しゅんこう)式典にも招かれ、石澤教授と交流を深めてきた。

 昨年11月、都内で開かれた同大の100周年式典に出席した浅野さんは「浅野号」が廃車になったことを聞き、新しい車の寄贈を申し出た。初代の浅野号は約9万キロを走行した。新しい車は同12月に現地へ届けられた。

 石澤教授は「浅野さんは上智モデルの人材養成活動に深く共鳴され、アジアの困っている人たちのことを自分のこととして考えてくださっている。人材養成のために遠く離れた各地にある遺跡を調査し、石材を運搬するために使わせてもらう」と喜ぶ。

 贈呈式は17日に帯広市内のホテルで行われ、石澤教授、高祖敏明上智学院理事長が出席する。(澤村真理子)

 

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