「合格祈願」商戦多彩 大判焼きからパン、うどん…語呂合わせズラリ
「他(た)を抜くでたぬきうどん」、「合格を手中(しゅちゅう)に収めるでシチュー」-。公立高校の出願受け付けが21日に始まったが、帯広市内のスーパーなどでは、商品のネーミングのゴロ合わせによる「合格祈願」関連の商品が売り場をにぎやかに飾っている。各店とも“駄じゃれ力”を駆使して商品数をアップ。地元を代表するグルメにも合格祈願版が登場し、追い込みを迎えた受験生を応援している。
高橋まんじゅう屋(東1南5)は10年ほど前から「合格」焼き印をした特注の大判焼き(あん、チーズ)を販売、隠れた人気を得ている。「差し入れに活用してもらおう」と特製の鉄型を各種用意するが、選挙時期には「勝」が、開票日の後は「祝」の注文が多く寄せられる。
帯広柏葉高校ではPTAが3年生に「合格」など入りの大判焼きを特製の袋に入れて贈る伝統も。篠田隆祥さん(26)は見事北海道大学に合格、就職を前に同店でアルバイトをしている。「やる気が出たのを覚えている」と笑顔。1個からでも応じ価格も同じだが、同店の高橋道明さんは「型を温めるのに時間がかかるので事前に注文を」と呼び掛ける。
パン製造販売の満寿屋商店(杉山雅則社長)各店では3月中旬まで、カツサンドを3個セットにした「サンド勝つ!」(441円)を販売する。今年は1枚肉を使った「絶対勝つ!サンド」(315円)も登場、ボリューム感が人気という。同社販促企画課の中村美紀子さんは「勉強の合間の夜食にもなるので、体力、気力を付けて受験勉強に臨んで」と話す。
「合格を手中(シチュー)に」「他抜き(たぬき)うどん」「落ちずに受かれ(チーズカレー)」…。全店舗で受験生応援企画を展開するコープさっぽろではカレールーやうどんなど店内のあちこちの売り場で験担ぎのポップ広告を掲示している。
験担ぎメニューの定番のトンカツ用の肉には、受験生に自らの持ち物に貼ってもらおうと、招き猫や「大願成就」の言葉が入ったオリジナルのシールを添付。シールは10年以上前から取り組み、この時期の名物となっている。ベルデ店の鈴木敏幸店長は「取り組みも毎年進化しており、(関連商品の)売り上げも年々伸びている」と話す。
各スーパーの菓子売り場には、各メーカーの受験シーズン限定の験担ぎ商品が並ぶ。ロッテの「TOPPO(トッポ)」は「TOPPA(トッパ=突破)」、東ハトの「キャラメルコーン」は「カナエル(かなえる)コーン」、明治の「カール」は「ウカール(受かる)」と商品名をもじって登場、受験生の母親らが買い求めている。
ダイイチ札内店ではパッケージが受験バージョンの「コアラのマーチ」(ロッテ)、突破にかけて18%増量したカルビーの「かっぱえびせん」「サッポロポテト」など6種類を扱う。辻英次店長は「菓子の入荷量は前年並み。今後は高校受験に向け、トンカツなどをチラシに載せるなどPRしていきたい」と話している。
(澤村真理子、原山知寿子)