人の気配「面白いをイメージする」
僕の友人を全国各地から紹介すると言いながら、ここ最近は大阪が続いている。それほどに大阪でのライブが多く、出会う人の数も多いということだ。さらに、先日旅行に出掛けたのだが、向かった先は大阪だった。そう、僕は大阪が好きなのである。
プライベートな旅行だったため、特に仕事関係の仲間に連絡することもなく、いつもとは違う大阪を楽しんだのだが、唯一大阪の友人に会いに行ったのが、今回紹介する古谷高治さんだ。
古谷さんは現在、心斎橋PARCOの地下2階にある「TANK酒場」で自分も店に立ちながら、フロア全体の「心斎橋ネオン食堂街」をプロデュースしている。その場所が今の形になってスタートしたときも、今回のようにふらり訪れたときも、いつも同じようにその場所は多くの人でにぎわっているし、格好良い大人が集まっている場所に見えた。
地元の人と観光客が絶妙に混ざり合う理想的な空間。昔から大阪カルチャーの真ん中にいた古谷さんが思い描く情報発信基地。そこに行けば誰かがいて、またワクワクするようなことが始まる予感。年齢も職業も軽く飛び交え、刺激を受け合うような時間がそこにはある。都会でも田舎でも、大人の遊び場がある街は強く、そこに集まる人は面白い。そのフロアのど真ん中に店を構える古谷さんは、やっぱり魅力的な先輩、まさに人の気配そのものなのだ。
『It’s Only My Rule』という曲のなかに「想いを描き続ける」という歌詞がある。常にイメージを持って、それをたまには口にして、現実に近づけていく。「いつか」ではなく、「いつでも」である。想いを描き続けるのは常に準備をするということ。そんな話を古谷さんとするためにも、僕はまた大阪に行く。
<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。帯広柏葉高卒。Riddim Saunterを解散後、ソロ名義での活動を続ける。V6への楽曲提供が話題になるなか、ニューアルバム『Chase Af-ter』をリリース。4月22日に札幌でのライブが決まっている