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短紙筒移植機と多畦収穫機等を用いたてんさいの狭畦栽培

農研機構 北海道農業研究センター 大規模畑作研究領域 大規模畑輪作グループ
津別町農業協同組合、日本甜菜製糖株式会社、サークル機工株式会社

1.成果の概要
 このてんさい狭畦栽培は、短紙筒狭畦移植機、自走式多畦収穫機等を使用し、1年間に1台あたり、移植機は60ha、収穫機は140ha 以上の作業が可能です。短紙筒狭畦移植栽培は慣行の移植栽培に比べて収量が14%向上し、収穫物当たりの生産コストは低下します。

2.成果内容
(1)栽培法と機械
 ・直播栽培と移植栽培どちらも条間50㎝の狭畦栽培(密植)です。
 ・移植栽培には短紙筒苗を使います。
 ・移植作業は、狭畦栽培に対応した移植機(6畦)を用います。
 ・収穫は直播栽培も移植栽培も自走式多畦収穫機(6畦)を用います。
 ・これらの作業のうち、移植作業と収穫作業は作業組織が担います。


(2)新技術のメリット
 ・短紙筒狭畦栽培は慣行栽培に比べて14%多収です。(直播栽培は狭畦密植により7%多収)
 ・単位面積当たりの生産コストは概ね同等です。(収穫機を120ha/1年以上使い、移植機を1台使った場合の作業料金で試算した場合)


3.作業上の留意点等
(1)育苗期間は6週間を目安に:7週以上の育苗は減収することがあります。
(2)収穫機は120ha/1年以上使う:移植機は60ha/ 1台が上限。残りは直播栽培で対応しましょう。
(3)収穫の障害物は取り除く:防風林の枝の張り出しなどは事前に除去しましょう。
(4)6月下旬までは適切な雑草防除が必要
(5)収穫ロスは曲線部で増える:定植・播種時からなるべく直線の作業を心がけましょう。
(6)土壌病害対策が必要:シストセンチュウ汚染圃場の作業は行わないでください。移動前のクリーニングなどの対策を実施しましょう
(7)定植作業と収穫作業は余裕をもって行う:生産者間および糖業との事前の協議が必要です。収穫機の踏圧は従来のトラクタと大きく変わりませんが、湿潤時の作業は避け、終了後は速やかに深さ30㎝以上の耕起を行ってください。
(8)短紙筒狭畦移植栽培用の移植機は2020年4月以降受注を開始し、2021年春作業には使用が可能です。

(成績名:短紙筒狭畦移植栽機と自走式多畦収穫機等を用いたてんさいの狭畦栽培)

 本研究は生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」の支援を受けて実施したものです。

本技術内容についての問い合わせ先
農研機構北海道農業研究センター
地域戦略部研究推進室広報チーム
電話(011)857-9260
E-mail:cryoforum@ml.affrc.go.jp

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