圃場から土を持ち出さないてんさい輸送システム ~定置式除土積込機 TR-9~
道総研 十勝農業試験場 研究部 生産システムグループ
ホクレン農業協同組合連合会 てん菜事業本部
北海道地域農業研究所
1.成果の概要
(1)原料積込に定置式除土積込機(TR9)を使うと、混入土砂量を9割以上削減できます。
(2)原料てんさい輸送時に、混入土砂の返還を不要にできます。
(3)輸送能率は、現状の「ショベルローダから輸送車への積込」よりも20~30%低くなります。
2.成果内容
定置式除土積込機TR-9(写真1)は、ショベルローダで機体ホッパに投入した原料を、機体後部の2組のクリーニングローラで付着土砂を分離し、機体横のエレベータから輸送車に原料を積み込むものです。
本機はトラクタによる牽引移動が可能であり、牽引移動には88kW 以上のトラクタを要します。
本機を用いると、輸送車1台に混入する土砂を93%削減できました。
これにより、てんさい輸送時の土砂返還が不要にできます。
本機を用いると、ショベルローダ積込よりも積込作業時間を要し、さらに除土積込機の洗浄を要することから、1日のてんさい輸送量は低下します。
除土は徹底できるがコストは上がりやすいことに注意すること。
3.留意点
(1)本成績は、遊離土砂を返還させないてんさい輸送体系の構築を目的として、地域内で除土積込機の導入、
利用を計画する際に活用してください。
(成績名:定置式除土積込機を用いたてんさい輸送体系の能率と経済性)
詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研十勝農業試験場
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