ワインアカデミー設立 産地化へ人材育成 田辺氏が名誉校長 十勝総合振興局
十勝総合振興局の三井真局長は24日、振興局で記者会見し、十勝産ワインの品質向上とブランド化を目指す「ワインアカデミー十勝」を設立すると発表した。国内外の専門家を招いたセミナーでブドウ栽培や醸造の技術を高めるほか、ワインを観光素材とした管内の魅力向上にも取り組む。
十勝はチーズや肉をはじめとした、ワインと相性の良い食材が豊富にある。料理との組み合わせによる付加価値を高めた販売や観光PRが期待でき、管内でも意欲のある事業者が多くいる。ただ、ノウハウがなく栽培に苦戦している状況があり、すでに札幌を拠点にワイン関連の人材を育成している道の知見を生かす。道内の振興局でワインアカデミーを立ち上げるのは初めて。
十勝のアカデミーは9月中旬にキックオフミーティングを開催。今年度はセミナーなどを通して技術を高めるほか、会員相互の情報交換やネットワークづくりも進める。
11月には米国コーネル大学教授のハンズ・ウォルター・ピーターソン氏を招く予定。十勝同様、冬の気候が厳しいニューヨーク州フィンガーレイクス地域をワイン産地にした経験から、寒冷地に適した栽培や品種を紹介してもらうほか、ブドウ畑の現地指導も行う。
来年度以降は、食や観光関連の団体などとも協力し、料理との組み合わせや観光ツアー造成の検討なども行い、地域の活性化方策を探る。
丸谷金保元池田町長の次女で、ワインアンドワインカルチャー(東京)の田辺由美代表を名誉校長に迎え、講師招聘(しょうへい)などで支援を受ける。北海道が主催するワインアカデミーとも連携する予定。
会見で三井局長は「ワインは十勝の食と観光の魅力を高める起爆剤になる。ワイン造りを根付かせたい」と話した。また、同席した「あいざわ農園合同会社」(帯広)の相澤龍也農場長(63)は「十勝では技術が分からない人が多いと思う。経験や夢を語り合う場になれば」と期待した。
振興局ではワイン関連の産業に関心がある幅広い分野からの参加を募っている。参加無料。
申し込み、問い合わせは振興局商工労働観光課(0155・26・9047)へ。(伊藤亮太)