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駐在所だより プロ顔負け 上美生の境田巡査部長

プロ顔負けのイラストと地域密着の話題を載せた「あらしやま」と境田巡査部長(新井拓海撮影)

手書きイラストで地域の話題
空き巣からタヌキまで

 【芽室】帯広警察署上美生駐在所巡査部長の境田和夫さん(58)が毎月1回、手書きの駐在所だより「あらしやま」を発行し、プロ顔負けのイラストと地域に根差した話題で住民を楽しませている。境田さんは「警察の文章は堅く、あまり読んでもらえないイメージがある。イラストに目を留め、子どもからお年寄りまで読んでもらえれば」と話している。

 境田さんは札幌市出身。1978年に警察官を拝命し、苫小牧署、道警本部機動隊、札幌白石署などを経て2014年に帯広へ。小学生の頃から絵を描くのが好きで、これまで勤務してきた交番でも広報紙を担当し、道警の啓発パンフレットなどのイラストも手掛けてきた。道警広報用写真・イラストコンクールでも入賞を重ね、全国で銅賞に輝いたこともある。

 上美生駐在所には昨年4月に赴任。毎月下旬に発行する「あらしやま」は太さの違うペン4、5種類を使い、入学や体育祭など季節に合ったイラストと目を引く見出しで“読者”を引きつける。A4判の一枚もので地域に配布している。

 「道警として伝えたい記事があっても、地域としてそれが一番(知りたい情報)というわけではない。地域の人が何に関心を持っているかを考えながら作っている」と境田さん。詐欺や違法薬物など全国的な問題に触れながらも、農作業中で不在の農家が狙われた空き巣や、道端でのタヌキとの遭遇の話題などを紹介。上美生地域で車上狙いが連続発生したときは「号外」も出した。

 帯広署によると、同署管内で手書きの広報紙を発行しているのは境田さんのみ。同署の池田努地域課長は「(交番や駐在所の)広報紙は、著作権フリーのイラストを活用して似たり寄ったりになりがち。イラストが描けるのは強みで、手に取ってもらうきっかけになっている」と話す。

 上美生町町内会の鈴木吉太郎会長(75)も「毎回感動している。なかなかお目に掛かれない広報紙で、町内でも楽しみにしている人がいる」と喜ぶ。

 上美生小学校では、6月下旬から同校のホームページで「あらしやま」を紹介している。大宮秀夫教頭は「学校の掲示板でも貼っており、子どもたちが興味深く見ている。地域の話題が載っているので、先生方も安全指導する際に活用させてもらっている」と話している。(澤村真理子)

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