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クマ転々募る不安 芽室北伏古相次ぎ足跡

芽室町北伏古東9線の「伊賀大空菜園」で見つかったクマの足跡(4日)

 芽室町北伏古周辺の畑でクマのものとみられる足跡が相次いで見つかっていることを受け、帯広署や自治体は住民への注意喚起や現場周辺の巡回など警戒を強めている。人や農作物の被害は出ていないが、足跡の発見場所からは住宅や学校などが近く、付近住民は不安を募らせる。8日は正午現在、クマの目撃情報はない。専門家は「数日で山に戻るのでは」とみる一方、居座るケースもあるため、引き続き注意を呼び掛ける。(高津祐也、関根弘貴)

目撃10件超す
 芽室町によると、クマの足跡は1日に同町坂の上10線3~4号の畑で発見。その後、北伏古の畑地や帯広の森周辺などで10件以上の目撃情報が相次いだ。8日午前6時50分ごろには、中伏古の畑で、畑の所有者の男性がクマの足跡を発見し、帯広署に通報。同署によると、足跡は縦約23センチ、横13センチ。中伏古3線の畑から坂の上11線の美生川のがけ付近まで約4キロにわたり、足跡が続いていた。同署はパトロールを強化している他、8日正午ごろ道警ヘリを出動させ、付近を捜索している。

川沿い下り迷い込む?
 クマの生態に詳しい帯広畜産大学の柳川久教授(56)=畜産生命科学研究部門=によると、冬眠から覚めたクマが餌を探して、春先に山間部から川沿いに下ってくるケースは珍しくない。今回は帯広川沿いを下り、農地に迷い込んだと推測している。
 この時期は畑に農作物がないため、「市街地にとどまることはなく、すぐに山に帰るだろう」とする一方、「人が捨てた生ごみがあると、その場所に居着く可能性もあるので注意を」と呼び掛ける。山に入る際は鈴を着けるなど自身の存在を示すことが基本。万が一、クマに遭遇した場合は「急に逃げると追ってくる可能性がある。持っている物を置きながらゆっくりと後ずさりすること」と話す。

周辺の学校や施設では新聞記事や張り紙で注意を喚起(8日午前8時半ごろ、白樺学園高。塩原真撮影)

帯広の森でも
 足跡の発見場所に近い、白樺学園高校(芽室町北伏古東7線、嶋野幸也校長、生徒469人)は正面玄関などに注意を呼び掛ける張り紙を掲示。帯広大空小学校(帯広市大空町3、真下正則校長、児童336人)と帯広大空中学校(同市大空町11、藤崎禎人校長、生徒203人)はEメールや文書で保護者に伝達した。

 帯広の森野球場などを運営する帯広市文化スポーツ振興財団は同森内の各施設に注意喚起チラシを張り、今週末の大会主催者に連絡している。

クマとみられる足跡の目撃地点(画像をクリックすると拡大します。)

「また来るかも」
 4、6日に足跡が見つかった伊賀大空菜園に10年以上足を運んでいる帯広市内の無職上田力さん(77)は「気持ちが悪い」と困惑気味。「『クマがまた来るかも』という不安で落ち着いて作業できない」と漏らす。

 同菜園近くに小麦やビート畑を持つ芽室町の農業吉田郁子さん(60)は「普段は気にならない物音が気になる」と不安げな表情。「クマと出くわさないよう、いつもより遅めに畑に出て早めに切り上げている」と話す。

 芽室町は、足跡の大きさからクマは3~4歳の雄で、体重100~150キロと推定。道猟友会帯広支部のメンバーらが朝と夕方に付近を捜索するとともに、「めむろ安心メール」や農業者へのファクス配信で周知に努めている。帯広市は、足跡の発見場所周辺に注意を促す看板を設置した。

 また、両市町はホームページで発見場所を示した地図を公開している。

糠平でも目撃
 【上士幌】7日午後3時10分ごろ、上士幌町ぬかびら源泉郷の山林を散策中の男性観光客がクマを目撃し、同町内の東大雪自然ガイドセンターに通報した。

 帯広署によると、現場は糠平湖の三の澤橋付近。帯広署糠平駐在所員が付近を捜索したが、足跡など痕跡は見つからなかった。同町役場は付近住民に広報マイクで注意を呼び掛けた。


◆クマの足跡目撃について
ヒグマの足跡目撃情報について-帯広市ホームページ
ヒグマ目撃情報(PDFファイル)-芽室町ホームページ

クマ、発見されず 芽室北伏古-十勝毎日新聞電子版(2015/05/05)
大空付近にクマ足跡 芽室町北伏古-十勝毎日新聞電子版(2015/05/04)

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