「喫茶さんのう」メニュー復活、十勝サロンアネックス
旧みのやホテル1階の十勝サロンアネックス(西2南10)で3日、1960年から30年以上にわたり帯広駅東側で営業していた「喫茶さんのう」のメニューの提供が始まった。昭和の雰囲気が漂う店内で懐かしい味わいを楽しめる。31日まで。
市内の「立ち食い処『結』」店主の本間辰郎さん(57)が取り組む「カニの家」復活企画(8~10日、同駅北口多目的広場に当時の同家を再現)の一環。同喫茶のマスターだった参納弘義さん(74)=昭和ナツカシ館館長=は71年から20年間、同喫茶向かいに設置された無料宿泊施設カニの家を管理し、カニ族と呼ばれた若者旅行者の多くが同喫茶を利用した。
なるとや赤ウィンナーなどの具材が入った箸で食べる「田舎風スパゲティー」(500円)に「ジャガイモカレー」(450円)、飲み物を80年代の価格で提供。店内で飲食し、依田勉三の銅像と写真を撮ってフェイスブックなどにアップすると、ドリンク1杯サービスも。当時の来店客が思い思いに心情をつづったノートも紹介している。
参納さんにレシピを教わりメニューを再現した本間さんは「当時を想像しながら作るのが楽しかった。
参納さんや先人たちがやってきたまちづくりを次の世代に伝えていきたい」と話す。
会場では参納さんのコレクションによる「帯廣町商店街歴史展」も開催中。和装の女性が描かれた明治時代の各商店のポスターをはじめ、明治から昭和の貴重な商売道具が並ぶ。午前10時~午後6時(8~16日は翌午前0時まで)。(澤村真理子)