大気球放球を中止 大樹で初実験 JAXA不具合解明できず
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日、町多目的航空公園内の大樹航空宇宙実験場で14日まで予定していた第1次大気球放球実験の中止を発表した。実験準備中に起きた不具合の原因が期間中に解明できなかったため。JAXA宇宙科学研究本部の吉田哲也大気球実験室長は「一丸となって不具合をつかもうとしたが、多くの人の期待に応えられず残念。今後、仕切り直して、しっかり成果を上げていきたい」と話している。
JAXAは今年度から、三陸大気球観測所(岩手県大船渡市)で行ってきた実験を大樹で実施。今月2日に大樹では初となる大気球を放球する予定だったが、準備中に大気球と重りを結ぶロープが切れ、実験を延期していた。原因を調査していたが、今期間中の放球を断念した。
JAXAは今年度、同航空公園での気球の放球、管制、太平洋海上での回収と一連の作業の確認を目的にした第1次実験で2基、科学的要素を盛り込んだ8月の第2次実験で4基の大気球を放球する予定だった。
今後は、第2次と位置付けていた8月20日ごろに改めて今回の2基を放球した後、本格的な実験に移る。(北雅貴)