公用車やコミバスの運行状況把握 音更町が「レポサク」活用し実証 業務効率化へ
【音更】音更町は、公用車やコミュニティバス(コミバス)の運行状況をリアルタイムで把握するための実証事業を始めた。公用車の効率的な運用やコミバスの利用促進につなげたい考え。(内形勝也)
実証は6月20日にスタート。根室管内標津町のスタートアップ企業「エゾウィン」(大野宏CEO)が開発した農作業支援システム「レポサク」を利用する。レポサクは、準天頂衛星システム(愛称・みちびき)を活用した日本版GPS(全地球測位システム)による農作業支援システム。本来は農業用車両に搭載してリアルタイムで位置情報を可視化し、農作業の進捗(しんちょく)状況などを把握するものだが、これを転用し、公用車やコミバス計12台で実証利用する。
町は今回の実証利用に先駆けて、町内のコミバス運行を委託している北海道拓殖バス(音更町)と十勝バス(帯広市)の車両に、3月からレポサク各1台を搭載。バス停以外の希望する場所で降りられる「フリー降車」や、バス停ごとの利用状況などを把握するためのデータを収集した上で、コミバスの利用促進につなげる方針でいる。
同20日には、道路河川係と青少年係の巡回車など公用車7台と、業務委託している林道巡回車1台、ごみ収集車2台にレポサクを搭載した。実証利用は来年3月末までを予定している。レポサクの利用は無償。
町は2023年3月、コンピューターのプログラミング開発などを手掛ける「中央コンピューターサービス」(根室管内中標津町、所達也社長)と「町地域DX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた研究に関する協定」を締結。今回、協定に基づき同社が町にレポサクを紹介した。
町によると、今夏には音更町十勝川温泉観光協会が運営しているレンタサイクル2台にもそれぞれレポサクを搭載し、利用実態の把握に生かす予定。