僧侶の福家さんが宗教超えスペイン巡礼、徒歩800キロに挑戦 本別
【本別】本別町朝日町の高野山真言宗「密厳寺」(福家立雲住職)の僧侶・福家祥雲さん(40)が12日、スペインのキリスト教巡礼路「カミーノ」への旅に出発する。帯広市内などで托鉢(たくはつ)して準備を進めており、「しっかり修行と供養を積み、いろいろな国や宗教の人と会って交流できれば」と期待を込めている。(許静)
立雲住職(73)の次男祥雲さんは、大学生だった2003年に仏門に入った。大学卒業後は民間企業で働いていたが、09年に僧職へと一念発起。高野山専修学院(和歌山県)に入学し、1年間の修行を終えた。実家まで2600キロほどを歩いて帰ったり、全国各地の霊場を巡ったりした経験がある。
今回の巡礼路の旅は、昨年に四国八十八カ所を訪れた際、外国人と多く出会ったのがきっかけ。自身でも宗教を超えた経験をしようと、以前から関心のあったキリスト教の三大巡礼地から、熊野古道と姉妹道の同巡礼路を行き先とした。修行のほか、檀家(だんか)や先月19日に亡くなった祖母豊澤冨見子さん(享年93)の供養も兼ねるという。
7月23日までの日程で、フランスとの国境にあるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの街から、スペインにある聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう。難所のピレネー山脈をまたぐ「フランス人の道」など全800キロの行程に挑戦する。現地で情報を得ながら、連日20キロ以上の行程を歩く考えだ。カミーノ巡礼のシンボルとされるホタテ貝も持参する。
出発を前に5月下旬、高野山の総本山金剛峯寺で布教師になるための研修を受け、東京のスペイン大使館で情報を収集した。現在は日々2時間ほど、帯広市内や音更町内で托鉢などの準備にいそしんでいる。
祥雲さんは「(托鉢で)頂いたご浄財は大切に使わせていただく」と感謝している。巡礼の旅はインスタグラムで不定期更新する。詳細は福家さん(090・7050・2034)まで。