スペースポート見学 道内外の中高生が修学旅行で大樹に
【大樹】今年度に入り、道内外の中学生、高校生が修学旅行で大樹町を訪れている。北海道スペースポート(HOSPO、宇宙港)の施設見学がメインで、旅行中の学習のテーマとして「宇宙」にスポットが当たった。今後も夏場を中心に大学、専門学校の修学・研修旅行が予定されており、町の関係者は観光振興の弾みにと期待している。(能勢雄太郎)
町と宇宙港運営会社スペースコタンは一昨年、日本旅行(東京)と、宇宙のまちづくりに関するパートナーシップ協定を締結。町内の宇宙港関連施設を活用した旅行商品の開発を進めている。
4月からは日本旅行のグループ会社(札幌市)を窓口に、一般利用も含む北海道スペースポートツアーの販売を開始している。
修学旅行では5月に、富士見高校(東京)と標茶中(釧路管内標茶町)の生徒が訪問。富士見高校の2年生は70人が来町、3泊4日の日程で宇宙と1次産業のつながりを学んだ。
標茶中は札幌周辺がメインの旅程(5月21~24日)で、初日に大樹町を組み入れた。3年生59人が多目的航空公園の滑走路や交流施設「SORA(ソラ)」、インターステラテクノロジズ(IST)本社を訪れ、ガイドから宇宙のまちづくりについて説明を受けた。
標茶中の関係者は「ホリエモン(IST創業者の堀江貴文さん)のロケットは広く報道されており、生徒たちに関心が強かった。新鮮な学習プログラムになった」と話す。
スペースコタンの小田切義憲社長は「修学旅行は名所・史跡の見学から、探究学習を取り入れた内容に変化している。地球環境にも通じる『宇宙』は格好の素材」と強調。ISTの新型ロケット・ZERO(ゼロ)が数年内に打ち上がる予定で、「大樹の旅行需要は高まる」と期待する。
日本旅行によると7~9月には、東京・大阪の高校、札幌の専門学校、東京の大学ゼミの生徒、学生がスペースポートツアーなどを利用して来町する予定。日本旅行の担当者は「学校関係の教育旅行をステップに、一般のツアーも増やしたい」と話している。