エゾタヌキグッズ売れ行き好調 おびひろ動物園 写真集や缶バッジ 在りし日の「あん」人気
おびひろ動物園(帯広市緑ケ丘2、稲葉利行園長)で飼育しているエゾタヌキを題材にしたグッズが好評だ。初の試みとして制作した写真集は、先月27日の夏季開園から1カ月足らずで50冊以上売れている。園内の売店「カンガルーポケット」に設置しているオリジナル缶バッジのガチャ(カプセル入り玩具販売機)では、既に昨年度の約半年分に当たる274個が売れる人気ぶりだ。(村瀬恵理子)
写真集は、売店を運営する「帯広市つくし会」(甲谷千春会長)が制作を発案した。飼育展示係の中山大志さん撮影の写真を提供してもらい、同園が監修した。縦13・5センチ、横20センチで、全30ページ。価格は1500円。写真だけでなくエゾタヌキの生態の情報も盛り込み、「見た目のかわいさだけでなく、生態を含めた魅力を知ってほしい」と中山さん。数冊まとめて買う人もいたという。
ガチャは十勝毎日新聞社が同園を応援する「動物園のあるまちプロジェクト」の一環で、園の協力を得て2019年から設置。缶バッジの制作は、一般社団法人「青鳥舎」(帯広、小川洋輝代表理事)が運営する放課後等デイサービス事業所「ことのは」を利用する子どもたちが担っている。
第6弾となる現在は、中山さんから写真提供を受けてデザインした6種(1回200円)。これまでさまざまな飼育動物の缶バッジを用意したが、エゾタヌキが一番の売れ行きだ。
エゾタヌキは落ち葉に埋もれる“埋もれタヌキ”がSNSで話題になり人気に火がついた。立役者でもある「あん」(雌、11歳)が先月死んだことで、「デザインの一つになっているあんちゃん目当ての人や全種類そろえるために何度もする人がいる」(甲谷会長)という。
年に一度は同園を訪れているという札幌市の能登結花さんは10回挑戦し、念願の「あん」を引き当て笑顔を見せていた。
売り上げは「おびひろ動物園ゆめ基金」と同会に寄付している。